CGなしで魔法をかける
ついに公開がスタートした映画『メリー・ポピンズ リターンズ』で、主人公のメリー・ポピンズを演じる女優のエミリー・ブラント)がナニー(子供の教育係)としてやって来たバンクス家の子供たちをお風呂に入れるシーンで、エミリーがバスタブの中に吸い込まれていく場面があるのだが、なんとそのシーンの撮影でCGが一切使われていないことがわかった。
本編では、メリー・ポピンズが「 Off we go!(さあ、行くわよ!)」という名ゼリフとともにバスタブに背を向けてお尻から入ると、そのまま海に落ちることになっているこのシーン。
なんと撮影でバスタブに身を投げたエミリーを実際に待ち受けていたのは、海ではなく底がないバスタブに設置された「すべり台」。上の映像を見ればわかるが、そのすべり台をうしろ向きにすべり落ちたエミリーを、下で待ち構えていたスタッフたちが受け止めるという、なんとも原始的な手法で撮影されていたのだ。
その撮影を振り返ってエミリーはこう語っている。
「自分たちで触れることのできる実質的なセットを可能な限り作ろうとスタッフは心に決めていたの。だからあのお風呂もそうだった。バスタブの底に穴をあけて、ステージの下につながるすべり台をつけたってわけ。子供たちは最高だと思ったみたい」
何でもかんでもCGに頼らず、できる限り自分たちで作ることでよりリアルな魔法の世界を作ることを実現させた本作。撮影の裏側を知ってからお風呂のシーンを見るとそれはそれでおもしろいかも⁉︎(フロントロウ編集部)