5日前のパスタが悲劇を生む
現役の医師にしてユーチューバーとして活動するバーナード医師が、医学の知識を利用して様々な薬や病気の事例を紹介するYouTubeチャンネル「Chubbyemu」に投稿した、残り物のパスタを食べて亡くなった20歳の大学生の死因を究明する動画に反響が集まっている。
この痛ましい出来事が起こったのは今から約11年前の2008年。よく1週間分の食料を週末に作り置きしていた20歳の大学生AJは、その週もいつもと変わらず調理したパスタを小分けにして冷蔵庫に保存していたのだが、これが悲劇の始まりとなってしまった…。
ある日、一緒に暮らす友人が容器に入ったパスタがキッチンに置きっぱなしになっているのを発見。じつはこの時点ですでに放置してから2日が経過していたのだが、そんなことはまったく知らなかった友人は、親切でそのパスタを冷蔵庫にしまってあげた。
それから3日後、冷蔵庫の外に放置されていた期間も合わせると5日が経過した頃、ついにAJがそのパスタを冷蔵庫から出して食べてしまった。少々匂いに異変はあったが、その時に限っていつもとは違うパスタソースを使っていたことから、AJはそれが原因だと勘違いし、パスタをすべて完食。
食べる前に熱は通してあったが、案の定、食後に激しい頭痛や腹痛、嘔吐がAJを襲った。しかし、この時はまだ“食あたり程度”にしか思っていなかったAJは、手持ちの市販の薬が効いてくれることを願い、シロップタイプの胃薬を丸ごと1本一気飲み。そのまま眠りについたが、夜中に再び激しい腹痛や嘔吐に襲われ、トイレで失神。そのままトイレで倒れているところを友人に発見され、救急車で病院に搬送された。
すぐに処置が施されたが、病院に搬送された時点で肝臓がちゃんと機能していなかったAJは、残念ながらそのまま帰らぬ人となってしまった。
当時、AJはセレウス菌による食中毒に加えて、体に入り込んだ細菌によって肝臓に相当なダメージを受けていた。バーナード医師によると、その状態で胃薬を大量に摂取したことによって、さらに肝臓と体に負担がかかったことが、死に至った原因だという。
このようなケースは稀だそうだが、バーナード医師いわくパスタなどの麺類の場合1~2日後に食べる分には問題ないが、「残り物」には十分気をつけたほうが良いとのことだ。(フロントロウ編集部)