映画『アリー/ スター誕生』でアカデミー賞の主演女優賞にノミネートされているレディー・ガガが、シンガーのケシャがプロデューサーのドクター・ルークから性的暴行・虐待を受けたとして訴訟を起こした裁判で、ケシャ側の証人として嘱託尋問に召喚された際の記録が公開された。(フロントロウ編集部)

加害者側の弁護士の質問にガガが激怒

 所属するレーベルの最高責任者でもあるプロデューサーのドクター・ルークから、長年性的な虐待を受けていたとしてケシャが訴訟を起こした件で、2017年にレディー・ガガがケシャ側の証人として嘱託尋問に召喚された際のやりとりを米Blastが公開。ドクター・ルークの弁護人を務めるクリスティーン・レペラ弁護士の言動に、ガガが「恥を知りなさい」と一喝する場面があったことなどがわかった。

 はじめにケシャとドクター・ルークの関係について聞かれ、「ドクター・ルークが彼女に精神安定剤のようなものを与え、それを飲んだ彼女は、目が覚めた時何も思い出せなかったと言っていました」と証言したガガは、続けて、ケシャが下着姿でドクター・ルークのスタジオにいるのを目撃した時のことについてこう振り返った。

 「その時、彼女(ケシャ)が抱える計り知れないほどの悲しみや恐怖、そして憂鬱について話をしたことを覚えています。以前会った時とは目に見えて大きな変化がありました。彼女と具体的に何を語り合ったのかをここでお話しすることはできませんが、とても感情的になっており、私はただ彼女のそばにいたいと思いました」

 「話を聞いて浮かんだ光景はまさに私の身に起きたことでした。彼女は真実を話していると確信しました。私は彼女のことを信じています。(ドクター・ルークとケシャのあいだに)私は何が起きたのかを知っています。彼女は私にドクター・ルークから性的暴行を受けたことを打ち明けてくれました。ご存じのことと思いますが、男性が女性に性的暴行を加える時、その現場に第三者はいません。この業界では、そういうことが起きると外に情報が漏れないように徹底的に包み隠します。今私たちが関わっている今回のこの事件のように、契約や完ぺきに作られたシナリオによって上手く言いくるめられて、もみ消されるのです」

 ご存知の方も多いと思うが、ガガ自身も性的暴行の被害者であり、まだ19歳だった頃に20歳以上年上の男性プロデューサーから日常的にレイプされていたことを、2014年に出演したラジオ番組で公表している。

 そんなガガの態度が一変したのは、レペラ弁護士が「レイプ事件で冤罪ということもありますよね?これまで嘘の証言をした人が1人もいないとお思いですか?」と質問した時だった。同じくレイプ被害者のガガの感情を逆撫でするような質問に、自身の弁護士から「答える必要はない」と制止が入るも、ガガはそれを振り切って逆にこう質問を返した。

 「では、嘘つき呼ばわりされたあげく、世界中の人たちからスラット・シェイミングされた女性たちはどうすればよいのですか?」

 それでも一歩も引かないレペラ弁護士にガガはさらにこうまくし立てた。

 「彼女(ケシャ)の話は真実であると信じています。私は彼女が悪循環に陥る姿を見ていたから知っています。彼女が抱えるトラウマについても認識しています。私にはこの問題への知識と理解があります。彼女はとても深刻なトラウマを抱えていて、今この瞬間もそのことで苦しんでいます。あなた方全員が当事者なのです」

画像: 加害者側の弁護士の質問にガガが激怒

 「彼女(ケシャ)が自分の身に起きたことを世間に公表した理由がわかりますか?それが一体なんのためだかわかっていますか?あなたは、それが性犯罪の被害者たちにとってどういうことかわかりますか?公衆の面前で被害の一部始終について話す気持ちがわかりますか?私に向かって呆れたような顔をするのはやめてちょうだい。恥を知りなさい

 記録によると、議論がヒートアップしすぎてしまったことから、両陣営ともこの直後に休憩を取ったという。

 ちなみに、ケシャとドクター・ルークの法廷闘争は現在も続いており、お互いに主張を譲らない展開が続いている。(フロントロウ編集部)

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