「50点以下」と評価した先生が解雇
米フロリダ州の中学校で歴史の先生をしていたダイアン・ティラドが、同校の“ゆとり教育的”な規則に立ち向かった。
この中学校に移ったばかりのダイアンは、同校の「ノー・ゼロ・ポリシー」という、生徒に0点の評価をしない/最低評価でも50点を与えるという規則が、実際に社会に出た時に役立つものではないとして、課題を提出しない不真面目な生徒に厳しい評価を下した。
ダイアンは、クラスに与えたあるプロジェクトをノートにまとめる課題を、提出期限を2週間延長しても提出しなかった複数の生徒の成績を、0点と採点。
生徒が課題をやらなかったために0点を与えたダイアンだが、学校の規則に反したことから、彼女は新しい職場に就いてからわずか数週間で解雇処分となってしまった。
何をしていなくても50点が与えられる評価制度では、社会に出た時に生徒のためにならないと考えたダイアンは、学校を去る最終日に、教室にこんな言葉を残していった。
「みなさん、さようなら。ティラド先生はみなさんの幸福と素晴らしい将来を願っています。私は課題を提出しない生徒に50点評価をすることを拒否してクビになりました。ティラド先生より」
この写真をフェイスブックに公開したダイアンは、「この国の子供たちは顔を出すだけで給料がもらえて生活できると考えることになるでしょう。それは現実的ではありません」と、将来に備えた教育として、生徒に妥当な評価をつける必要性があると主張。
「私が立ち向かった理由は、(学校の規則が)バカバカしいと思ったからです。(中略)教師は教え、子供たちは自分の持つ最大の能力を使って課題をこなし、教師はそれを評価規定にのっとって成績をつけます。(中略)私たち人間はみんな失敗します。しかし教師というのは、一生懸命子供たちが素晴らしい人間になるよう手助けできるように努力しています」と、本来の教師と生徒のあるべき姿を訴えて、努力しなくてもいいような学校の規則の見直しを求めた。
この投稿は世界中に拡散され、ダイアンに賛同するコメントがたくさん寄せられている。(フロントロウ編集部)