英国王室がSNSの新ルールを発表
世界中に多くのファンがいる、英国王室。ロイヤルファミリー個別のSNSアカウントは存在しないが、ケンジントン宮殿がイギリス王室の公式アカウントとして、ファンとの交流の場になっている。しかし多くのアンチがいるのも事実なようで、ここ数ヵ月では、多くの荒らしコメントがロイヤルファミリーのSNSアカウントに届いていたよう。英The Timesによると、王室のSNSアカウントに来るコメントはスタッフが全部に目を通しているそうで、それには数時間もの時間がかかるそう。
そんな状況を見かねたイギリス王室が、先日公式ホームページに新しいSNSガイドラインを発表した。その内容は以下のとおり。
以下の内容のコメントを禁止する。
・スパム、中傷的、ウソ、卑猥、脅迫的、暴力的、嫌悪的、そしてそれを煽るもの。
・人種、性別、宗教、国籍、障がい、性的思考や年齢に関する差別。
・各ソーシャルメディアの規約を違反している。
・支離滅裂で、理解できないもの。
・広告
このガイドラインが発表されたことによって、今後、王室は該当するコメントの削除や、ユーザーのブロックを行なっていくと見られる。また、この発表には以下のコメントもつけられた。
王室は、私たちが必要と感じたり、法に触れていると思われるコメントについて、法の執行機関に調査を依頼する権利も持ち合わせています。
具体的な新ルール制定のワケとは?
この新ルール制定の影には、2人の女性の存在が。それは、キャサリン妃とメーガン妃。実は最近、ロイヤル・ファミリーの公式ツイッターであるケンジントン宮殿のアカウントに、キャサリン妃とメーガン妃をターゲットにした誹謗中傷が増えている。
まず1つめが、人種差別的なコメント。メーガン妃がアメリカ出身であることや、白人と黒人の親の元に生まれたことは広く知られている。しかしそれが理由で、残念なことに、公式ツイッターに人種差別的な発言が増えているという。
また、メーガン妃とキャサリン妃はロイヤルファミリー内でもファンが多いことで有名だが、そんな2人のファン同士がぶつかることも増えていて、その過程で、メーガン妃やキャサリン妃への誹謗中傷や、ファン同士でのけなし合いが頻発している。
目に余るこの現状は、英国王室について多くのニュースを発信している英HELLO!が#HelloToKindness(優しさにこんにちは)キャンペーンを開始するきっかけになったほど。このキャンペーンは、優しい言葉を画像やビデオに添えて、#HelloToKindnessというハッシュタグとともにSNSに投稿しようというもの。現在キャンペーンには、イギリス出身であるデビッド&ヴィクトリア・ベッカム夫妻や、1Dのリアム・ペインも賛同するなど、大きな広がりを見せている。
ごく当たり前のことを主張しているように思える英国王室だが、王室がこれまで荒らし対策に乗り出せなかったのには、あるわけが。個人には発言の自由が認められおり、国家の君主である女王および王室は、その権威を使って王室に対する意見を制限するのは適当ではないと考えられているから。しかしロイヤルファミリーも人の子。人と人との誠実な対話を守るこのガイドラインには、賛成の声が多く挙がっている。(フロントロウ編集部)