ヒースのデビュー作が20周年
当時20歳のヒース・レジャーと17歳のジュリア・スタイルズが恋の駆け引きを演じ、熱狂的な人気を博した1999年3月31日に全米公開された映画『ヒース・レジャーの恋のからさわぎ』は、2019年でなんと20年の時が経つ。
そんな作品の節目を記念して、ジュリアほか、出演者や映画に携わった関係者が米The New York Timesで、作品の制作秘話や、今は亡きヒースとの思い出を振り返った。
あの名シーンをヒースが修正
デビュー当時から、監督をうならせるほどの才能と、類まれなクリエイティビティを発揮していたヒース。
『ヒース・レジャーの恋のからさわぎ』の名シーンといえば、ヒース演じるパトリックが校庭で部活動の練習をするジュリア演じるカトリーナのために歌うシーン。
ここでは、もともと「アイ・タッチ・マイセルフ(I Touch Myself)」を歌う設定だったが、ヒースが楽曲を変更。ロマンチックさが足りないということで、自ら「キャント・テイク・マイ・アイズ・オフ・ユー(Can’t Take My Eyes Off You)」を選曲したことを、脚本を務めたカレン・マックラーが認めた。
さらにジル・ジュンガー監督は、ヒースが歌いながら軽々とセキュリティを潜り抜けるシーンの裏話を暴露した。
「ヒースには『セキュリティが追ってきたら階段を使って走り回ってくれ』としか言っていない。だけど、テイク1の直後に看護師がセキュリティの1人に駆け寄ったんだ。ヒースがセキュリティを倒れさせたかと思って彼らはヒヤヒヤしていたよ。ヒースは楽しんで走っていたけど、セキュリティたちを体力的にどっと疲れさせてた」
「酔っ払い方を教えてくれた」
さらにこのインタビューでは、ヒース演じるパトリックのロマンス相手で頑固な女の子カトリーナを演じたジュリアもヒースとの思い出を振り返った。
撮影当時、ジュリアは17歳。酔っぱらうシーンを演じるにあたり、未成年のジュリアはヒースからアドバイスをもらっていたという。
「17歳だったし、実際に酔っぱらったことがなかった。だから、年上のヒースが酔っぱらいはどんな行動をとるのか、どんな感じ方をするのか教えてくれたのを覚えている」と、演技のアドバイスを受けていたことを明かした。
また、同作でチャスティティ役を演じたガブリエル・ユニオンは、ヒースのことをこう振り返る。
「ヒースに見つめられると、自分がダイアナ妃になったような気持ちになる特別な力があった。混雑したハリウッドの中で、ヒースは人を特別で輝く存在にさせてくれる。結構すごい才能だと思うわ。そして彼のそんな姿は十分に語られてないと思うの」
28歳という若さで帰らぬ人となったヒースの死から、2019年で11年。彼の出演映画が今もなお愛され続ける限り、これからも彼の軌跡は語り継がれる。(フロントロウ編集部)