セカンドアルバム『フリー・スピリット』で初の全米1位を獲得し、R&B界の新王者となった弱冠21歳の若き天才カリード。2019年の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた彼は、その美しい歌声でR&B界での地位を確立しながら、人柄の良さでもファンのハートを溶かしているのをご存じだろうか?悪いニュースを聞くことが多い現代において、彼のような若者が希望をつくる。(フロントロウ編集部)

3年でカフェからアリーナへ!
21歳の天才R&B男子カリード

画像: ©Khalid/Facebook

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 アメリカ発のシンガーソングライターであるカリードは、18歳のときに小さなカフェで初ライブをしてからわずか3年で、グラミー賞5部門にノミネートされ、Time誌の最も影響力のある100人に選ばれ、数十万人を動員するアリーナツアーをするまでになった、21歳の天才R&B男子。

 10代らしい等身大の恋愛や人生への思いを歌ったデビューアルバム『アメリカン・ティーン』で第60回グラミー賞において主要部門である最優秀新人賞を含む計5部門にノミネートしたカリードは、4月に発売したセカンドアルバム『フリー・スピリット』で自身初の全米アルバムチャート1位を獲得。

 前作での「R&B界の未来を担う新星」としていう立場から、本作の新たな成功で「R&B界を代表するシンガー」へと歩を進めた。

カリードのいい人エピソード集
カリードの美しい歌声に引き寄せられ、その後、彼の人柄に惚れ込む人が続出中!カリードのいい人ぶりが分かるエピソードをご紹介。

稼ぎをすぐに社会貢献に使う

 18歳だった2016年にファーストシングル「ロケーション」が米R&Bチャートで2位を獲得して、注目されたカリード。そんな彼がシンガーとして稼ぎだして真っ先に行なったことの1つが、自分が育った街テキサス州エルパソに恩返しをすること。

画像: Khalid - Location (Official Music Video) youtu.be

Khalid - Location (Official Music Video)

youtu.be

 年末にはプレゼントを買って地元の子供たちに配ってまわり、2019年には教育支援団体を設立。約330万円を奨学金として寄付することを発表した。まだ新人アーティストなだけに数千万円という巨額ではないが、数十万円、数百万円からでも社会貢献しようとするところに、カリードの人の好さがにじみ出ている。

「努力して(恵まれない環境から)抜け出すこと。そして(恵まれない環境にいる人に)恩返しをすること」
ーカリード、ツイッターにて

歌詞にあのワードが出てこない

 “関係が悪化する前に話し合おうよ”と歌ってUSトップ20入りした代表曲の1つ「トーク」をはじめ、恋愛ソングを多く歌うカリード。そんな彼の曲を聴いていると、あることに気づく。それは、「He(彼)/She(彼女)/Girl(ガール)」といった性別を特定する言葉があまりでてこないこと。

画像: Khalid - Talk (Official Video) www.youtube.com

Khalid - Talk (Official Video)

www.youtube.com

男性が歌うからと言って女性へのラブソングだとは限らない。カリードの歌詞にはどんなアイデンティティを持つ人でも楽しめるように、というインクルーシヴな気持ちが表れている。

「おおよそ半分の曲で特定の代名詞を使ってないよ。どんなリスナーだろうと、そのリスナーの視点から考えて大半の曲を作っているからね」

ーカリード、ツイッターにて

ミーグリで異例の対応

 “いい人”カリードは、ファンサービスの分野でも優等生。コンサート後に出待ちのファン全員に対応したり、ツイッターの投稿の大半がファンへの返信だったり、とにかくファン・ファースト。

 そんなカリードが音楽ファンの話題をさらったのが、ヒット曲「ベター」を収録するセカンドアルバム『フリー・スピリット』を引っさげた初のアリーナツアー、フリー・スピリット・ワールドツアーのミート・アンド・グリートの金額を発表したとき。

 アーティスト本人と会って写真が撮れるミーグリは、人気アーティストともなれば20万円近くに達し、安くても2~3万円するのが一般的。しかしカリードはそんな音楽界の相場は無視して1万円でチケットを販売。カリードのこの行動は音楽ファンのあいだでも話題になり、「カリードのようにしてほしい」「カリードはこの額なのに」などと、ミーグリの“お手本”とされている。

「友達と話すような気持ちでファンと話している。境界線はない」

ーカリード、ツイッターにて

才能あるファンをツアーで雇用

 カリードのファンにまつわる良い話をもう1つ。

 「ヤング・ダム & ブローク」をはじめとした大ヒット曲を収録したデビューアルバム『アメリカン・ティーン』を引っさげた初ツアーのときには、ファンの中からダンサーを公募!ファンとアーティストの垣根を超えた交流をしながら、同時に、才能あふれる若者たちにチャンスの場を与えた。

「全部のビデオを見るから、dancing teenというハッシュタグをつけてビデオを投稿してよ。ちゃんとすべて見るからさ」
ーカリード、2017年にSNSでダンサーを公募したときのコメント

初の全米1位に対して謙虚なリアクション

 セカンドアルバム『フリー・スピリット』でキャリア初の全米アルバムチャート1位を獲得したカリード。そんな彼は1位の報せを聞くと、SNSで「みんなのことを愛している」と真っ先にファンに感謝。そして米Billboardとのインタビューでは、「僕だけの快挙じゃない」と謙遜した。

 ちなみにこれからは、アルバム『フリー・スピリット』に収録された曲「セルフ」のように、自分の内面と向き合った曲をもっと多く歌っていきたいという。

「『フリー・スピリット』が1位になったことは僕だけの快挙じゃない。素晴らしいことだよ」
カリード、米Billboardとのインビューにて

自死やLGBT+など若者にとって大事な話題を歌う

 若者の気持ちを代弁するR&Bシンガーであるカリード。そんな彼のアーティスト性は他アーティストとのコラボ曲でも現れている。

「ユース」(ショーン・メンデスとのコラボ曲)

 逆風に負けることなく挑戦を続ける若者を応援したエンパワーメントソング。ミュージックビデオでは、2018年に全米で激化した若者による銃規制運動の映像を起用し、彼らへの支持を表明した。

「1-800-273-8255」(ロジック、アレッシア・カーラとのコラボ曲)

 自死の問題にフォーカス。曲のタイトルを全米自殺予防ライフラインの電話番号にすることで、曲に共感した若者にヘルプラインの存在を知ってもらうというユニークな手法が取られた。ミュージックビデオではゲイであるがゆえに自死を考える青年を主人公にし、第60回グラミー賞授賞式で最優秀楽曲賞と最優秀ミュージックビデオ賞にノミネートされた。

「今日のアメリカは、有色人種や、移民の子供、LGBTQコミュニティなど、多くの人々にとって怖い場所となってしまっている。この国を変える力を持っているのは、アメリカの若者であるティーンなんだ」
ーカリード、米Timeにて

 掘れば掘るほど好感度が上がるエピソードばかり出てくるカリード。「世界で最も影響力がある100人」に選ばれたことが納得のポジティブ・アイコンのカリードがキャリア初の全米1位を獲得したアルバム『フリー・スピリット』は現在発売中。

カリード Khalid
アルバム『フリー・スピリット/Free Spirit』
発売中(2019年4月29日発売)
2,200円+税 SICP-6012
購入・ダウンロードはコチラから

画像: カリード、21歳のR&B男子が「歌声」と「人柄」でアメリカの心を溶かしている

<収録曲>
1. イントロ
2. バッド・ラック
3. マイ・バッド
4. ベター
5. トーク
6. ライト・バック
7. ドント・プリテンド カリード×セーフ
8. パラダイス
9. ハンドレッド
10. アウタ・マイ・ヘッド with ジョン・メイヤー
11. フリー・スピリット
12. トゥエンティー・ワン
13. ブラフィン
14. セルフ
15. アライヴ
16. ヘヴン
17. サタデー・ナイツ ※ボーナストラック
18. サタデー・ナイツ・リミックス カリードXケイン・ブラウン ※国内盤限定ボーナストラック

(フロントロウ編集部)

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