女の子のハートを掴むキュートなアイテムで知られるランジェリーブランドのヴィクトリアズ・シークレット。エンジェルはじめ、起用されるモデルは人気を集めているけれど、その一方でここ数年は同ブランドがこれまで描いてきた「美=セクシー」という考えが現代に合わないという意見も多くあがり、売り上げが低迷している。そんなブランドの不況をさらに追い込むできごとが起こった。
それは、米トランプ大統領が発表した、中国からの輸入品に対する10パーセントから25パーセントへの関税率の引き上げ。対する中国は、報復関税としてアメリカからの輸入品5000品目への関税を5パーセントから最大25パーセントへ引き上げる。
これに含まれるのは食料や生活用品だけでなく、ファッションリテールも対象だという。
ヴィクトリアズ・シークレットに打撃
これを受けて米メディアMARKETS INSIDERは、関税によって大きな被害を受けるであろう大手ファッションブランドのリストを掲載し、そこにはヴィクトリアズ・シークレットの名前が。
ヴィクトリアズ・シークレットと姉妹ブランドのPINK(ピンク)、そしてBath & Body Works(バス・アンド・ボディ・ワークス)を所有するLbrandsは、ブランドのリソースを世界350の工場で作っていると述べており、なかでも最も大きく割合を占めている国として中国をあげている。
またオーナーは、中国を「極めて重要なマーケット」だと話したこともあり、中国への商品の輸出に伴う値上げを原因に消費者からの需要が大幅に下がるのではないかと懸念している。
2017年には上海で大型フラッグシップストアをオープンさせたヴィクトリアズ・シークレット。その年には中国でファッションショーを開催し、過去最高となる7人のアジア人モデルを起用するなど、中国向けマーケティングを精力的に進めてきた。成長し続ける中国市場に将来をかけていた同ブランドにとって、関税率の引き上げがネガティブな影響を与えることは明らか。
また、ヴィクトリアズ・シークレットだけでなくGAP(ギャップ)やTiffany & Co (ティファニー)、GUESS(ゲス)などのファッションブランドも大きく打撃を受けると予測されている。そんななかブランドRalph Lauren(ラルフ・ローレン)は、声明を発表。イタリアなどで生産されている高級品を除き、「ポロ」「ローレン」の商品の約4分の1を中国で生産しているため、値上げも視野に入れているという。(フロントロウ編集部)