人工ペニス&他人の尿で検査官の目を欺く
5月28日に発売される自伝『Darkness to Light(原題)』の中で、経験人数2,000人以上のセックス依存症と、重度の薬物依存症であることをカミングアウトした元NBA選手のラマー・オドムが、2004年のアテネオリンピックの代表入りのための薬物検査で、精巧に作られた偽物の男性器と、トレーナーの健康な尿を使って“陰性”を偽装していたことが明らかになった。
同書で男子バスケットボールのアメリカ代表としてオリンピックに出場できたことを、「自身のキャリアにおいて最も名誉ある出来事のひとつ」と振り返ったラマー。しかし、アテネ五輪の代表入りをするにあたって、ラマーには越えなければならない“大きな壁”があった。それは薬物検査。
「俺が薬物検査をパスすることは絶対にありえなかった。あの夏、俺は毎日のように大麻を吸っていた。すぐにパニックになった」ラマー、自伝『Darkness to Light(原題)』より。
“なんとしてでも薬物検査をパスしなければならない”と思ったラマーは、自身の専属トレーナーに協力を仰ぎ、黒人男性の男性器を模した「人工ペニス」をネットで注文。検査当日、薬物など違法なものを一切使用していないトレーナーの尿を、空洞になった人工ペニスの睾丸部分に入れ、人工ペニスを股間部分に装着した状態で検査に挑んだ。
尿を取る瞬間も近くで監視されているため、頭の中で「こんなこと絶対に上手くいくわけがない」と思いながらも、必死に人工ペニスから尿を絞り出したというラマーは、なんとか検査官の目を欺いてカップに尿を入れることに成功。
体外に出したばかりの尿であることを確かめるための温度検査もクリアし、当たり前だがその後の検査結果でも“陰性”と出たため、無事にアメリカ代表入りを果たした。ちなみに、2004年のアテネ五輪で、アメリカの男子バスケットボール代表は「優勝確実」と言われながら、まさかの銅メダルという屈辱的な結果に終わっている。(フロントロウ編集部)