アメリカで暮らすある夫婦に「事故によって亡くなった息子の精子を使って孫を授かっても良い」という法的な許可が下された。(フロントロウ編集部)

 米陸軍士官学校の生徒だったピーター・チューはキャンパス内でのスキー中の事故により2月27日に脳死。臓器提供のドナーとなることを希望していたことから、その2日後の3月1日まで生命維持装置により生かされていた。

 21歳という若さで亡くなったピーターが生前に口にしていた「いつか牧場を持ち、馬を飼って、子供を5人もうけたい」という夢を叶えるため、彼の両親は、裁判所の許可を取り、医師の処置によって脳死状態にあったピーターの体から精子を摘出。ただちに冷凍保温した。

 その後、両親は「家族の繋がりを重んじる一家の文化的背景も考慮し、息子ピーターの精子を使って跡継ぎとなる孫を誕生させることを法的に許可して欲しい」と裁判所に申し立て。

 これに対し、ニューヨーク最高裁のジョン・コランジェロ判事は、「両親は息子である故ピーターの精子を生殖目的で利用する権限を有する」という判決を下した。

 コランジェロ判事は今回の決断について、亡くなったピーター本人は死後の精子の使用に関して生前に直接意思表示をしていたわけではないが、臓器ドナーとなることを希望していたという事実と、ピーターが将来子供を持つことを熱望していたという両親の証言を考慮したと説明。

 米CNNは、ピーターの両親は、現段階では、代理母による出産を試みるのか、ドナーによる卵子提供を募るのかといった具体的な計画は進めていないと法廷で証言したと伝えている。

 亡くなった男性の精子を使って子供を授かった例は過去にもあり、米Newsweekによると、血筋にこだわるイスラエルでは、近年、遺族が息子や夫の遺体から精子を搾取して保存するというケースが増えているという。

 日本では死後生殖は認められておらず、2001年に四国に住む40代の女性が亡くなった夫の冷凍精子で出産したが、夫の死から300日以上が経過していたため、遺伝子的なつながりはあるものの、法的には子供との父子関係は認められなかったというケースがある。(フロントロウ編集部)

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