次の伝記映画は「マドンナ」を題材に
第91回アカデミー賞で主演男優賞、編集賞、録音賞、音響編集賞の最多4冠を獲得した2018年の大ヒット映画『ボヘミアン・ラプソディ』。
1970~1990年代に一世を風靡したクイーンのボーカル、故フレディ・マーキュリーをドラマ『ミスター・ロボット』のラミ・マレックが演じた同作は、全世界での興行収入が9億ドル(約1000億円)を突破し、日本国内での興行収入も130億円を超えるなど、映画史に名を残す作品となった。
同作の終盤で解雇された前監督のブライアン・シンガーに代わり、作品を仕上げたのは元俳優という異色の経歴を持つデクスター・フレッチャー。
伝記映画である『ボヘミアン・ラプソディ』を大成功へと導いたフレッチャー監督は、その手腕を活かして、イギリス人大御所シンガーのエルトン・ジョンの人生を題材にした新作『ロケットマン』も手がけており、同作は、先日行なわれたカンヌ国際映画祭でも高評価を得た。
そんなフレッチャー監督が、最近行われたインタビューで、もし次に誰かの伝記映画を作るなら、ぜひ、シンガーのマドンナを題材にしたいとコメントした。
米Gay Star Newsとのインタビューの中で、記者から現代音楽史に貢献した偉大な女性アーティストとしてマドンナとシェールの名前を挙げ、「どちらかの伝記映画を作ってくれませんか? 」と聞かれたフレッチャー監督は「ぜひマドンナで作品を作りたい! 」と即答。
「もし実現したらジェットコースターみたいにスリリングだろうね。素晴らしい作品ができると思うよ」と続けたフレッチャー監督は、これまでマドンナの人生を伝記映画化するという発想は無かったとしながらも、「マドンナ本人が(映画化のアイディアに)賛成してくれるかは分からないけど、彼女が類まれな人生を送っていることは確かだ」と語り、「もしまたアイコン的な大スターの作品に携わるとしたら、マドンナしかいない。彼女は唯一無二の存在だからね」と記者から投げかけられたアイディアにかなり乗り気な様子を見せた。
実現は難しい?
一方のマドンナはというと、2017年に、彼女が1990年に行なった世界ツアー「ブロンド・アンビション」になぞらえた『ブロンド・アンビション』という題名の映画が制作されるという報道出た際、インスタグラムに「私が知っていることと経験したことは、私以外誰も知らない」といったコメントを投稿し、自身の人生が映画化されることには難色を示していた。
「私が知っていることと経験したことは、私以外誰も知らない。私のストーリーを語れるのは私だけ。そんなことをしようとする奴はみんなペテン師で愚か者。努力もせずに瞬時に得られる喜びに期待するなんて。これは私たちの社会に蔓延る病気ね」
伝記映画化制作の話題に関して、かなり強固な姿勢を見せていたマドンナだけに、今後も一貫して映画化は認めない可能性も。
しかし、マドンナが伝記映画化に反対していたのは、『ボヘミアン・ラプソディ』が世間に認められる前の話。もしかしたら、同作の成功を受けて、マドンナの気が変わった可能性もあり得る。
現時点では、フレッチャー監督がインタビュー中のノリで「ぜひ、マドンナで! 」と発言しただけで、何の計画も進行していないが、もし実現したとしたら、大ヒットは間違いなさそう。(フロントロウ編集部)