アメリカ国立衛生研究所が、今後、女性の数が不足する学会や会議には参加しないことを表明した。(フロントロウ編集部)

医学界の大物が女性のために大胆な宣言

 アメリカ国立衛生研究所の所長を10年以上にわたって務めるフランシス・コリンズ博士が、同研究所ホームページの所長メッセージのなかで、科学・医学分野で働く女性のためにある声明を公開した。

 「重要なメッセージを明白にしたいと思います。科学・医学において、発言者がすべて男性であるという古い伝統を終わりにする時が来ました」

画像: 医学界の大物が女性のために大胆な宣言

 そうメッセージを始めたコリンズ博士は、今後は女性の地位向上のために、ある具体的な行動を取ることを明言した。

「科学・医学において過小評価されている女性や、その他の社会的グループの人々は、学会や、その他の高度な会議において、重要な立ち位置にいることがほとんど見られません。今後、講演の招待を受けるかどうかを決めるときは、そのイベントが様々なバックグラウンドを持つ科学者に平等に話す機会をもうけている公平な土俵であるかどうかを検討材料とします。今後、この議題における包括性への意識が見られない時は、参加することを拒否します。また、生物医学に携わる他の企業のリーダーたちにも、同じ行動を起こすことを求めます」

 そう言って、男性といった特定のタイプの登壇者しか起用されないイベントには今後一切出席しないと宣言した。

多くの女性が発言する機会を持てていない

 世界中で行なわれている多くの学会や教育の場では、そのほとんどが男性であることが問題になっている。米The 500 Women in Medicineの調査によると、アメリカの医科大や医学部の卒業者は40%以上が女性であるのに対し、学生を教える立場の教授職での女性の割合は22%で、学部長は16%まで減少。

 とくに最近では、女性の身体に関する会議においても、参加者に女性が1人もおらず、男性だけで議論が進められることが頻発しており、問題になっている。

男性だけで行なわれている会議をまとめるツイッターアカウント。ポーランドでは、女性の中絶に関する会議で、参加者が男性だけだったことも。

 英語では、会議のことをConference(カンファレンス)やSymposium(シンポジウム)と言い、会議で発言する人はPanel(パネル)と呼ばれる。しかし、そのほとんどが男性であることから、それらの単語を男性という意味の英語のMan/Him(マン/ヒム)とかけて、Manel(マネル)、Manference(マンファレンス)やHimposium(ヒムポジウム)と皮肉をこめて呼ぶことも。

 コリンズ博士は今回発表した声明に、「Manelという伝統を終わらせる時がきた」というタイトルをつけて、学術の分野における女性活躍の支持を表明した。(フロントロウ編集部)

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