アメリカ精神分析医学会が、LGBTQ+コミュニティに対する過去の考えを謝罪した。(フロントロウ編集部)

アメリカ精神分析医学会がLGBTQ+コミュニティに謝罪

 アメリカ精神医学界において2番目に古い組織であるアメリカ精神分析医学会は、医学の面からLGBTQ+を熱心に支持していることでも有名。しかし1997年にその姿勢を表明するまでは、世界の多くの国でそうだったように、同性愛を「病気」としていた。

 同医学会の代表リー・ジャフィ博士が、そんな過去に向き合い、先日6月21日に行なわれた学会のなかで、LGBTQ+コミュニティに対する謝罪の言葉を口にした。

「残念ながら、当時の同性愛やジェンダーアイデンティティへの理解は、アメリカ精神医学に一部起因するものでした。本来ならばもっと早く、(同性愛者が経験した)差別やトラウマにおける私たちの責任を認めて謝罪するべきでした。申し訳ありません」

画像: アメリカ精神分析医学会がLGBTQ+コミュニティに謝罪

 アメリカの精神医学界で、LGBTQ+コミュニティに対してこのような謝罪を発表した組織はアメリカ精神分析医学会が初めてだと考えられており、会場にいた約200人もの参加者からは、スタンディングオベーションがおくられた。

LGBTQ+は「病気」?

 過去の精神医学では、性的指向は性別によって決まるものであるとされており、もしその2つが一致しない場合、つまりLGBTQ+の人々は、性的指向と性別を一致させる「治療」が必要だと考えられていた。

 それによって引き起こされた差別のひとつに、コンバージョン・セラピーがある。

画像1: LGBTQ+は「病気」?

 これは、同性愛者を異性愛者に「戻そう」という考えによって行なわれるもの。しかし、同性愛は生まれながらに持つもので、変えることはできない。

 さらにこの治療は、同性愛者である参加者に、同性愛への嫌悪感を抱かせようとするものもあり、LGBTQ+当事者は感情を苦しめられてしまう。

 米Psychology Todayによると、両親によって性的指向を変えられようとされた人は、そうでない人より3倍も自殺経験があり、両親以外のセラピストや地域のリーダーによって性的指向を変えられそうになった人は、そうでない人より5倍もの人数が自殺しようとした経験があるという。

画像2: LGBTQ+は「病気」?

 同性愛は、1973年にアメリカ精神医学会の『精神障害の診断と統計マニュアル』から取り除かれ、1990年には、世界保健機構が、「同性愛はいかなる意味でも治療の対象とはならない」という声明を発表。

 しかし現在でも、LGBTQ+に対する差別はなくなっていない。 

 アメリカ精神分析医学会は、現在のスタンスとは違えど、これまでの過ちを謝罪することは大切であると感じているそうで、ジャフィ博士はこう語る。

「現在のアメリカ精神分析医学会は、性的指向やジェンダーの多様性を支持していることを誇りに思っています。しかし、『ごめんなさい』という言葉を聞くことが、過去のトラウマを癒すことに重要なことを、我々は知っています」

(フロントロウ編集部)

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