“注意書き”されてるけどほとんどの人が無視?
英シュロップシャー州シュルーズベリー在住の29歳の男性が、コンタクトレンズをつけたままシャワーを浴びたことが原因でアカントアメーバに感染し、右目を失明していたことがわかった。
アカントアメーバとは水中に生息する微生物のことで、アカントアメーバによる角膜感染症にかかると視力が低下するだけでなく、最悪の場合、失明に至る可能性も。アカントアメーバは川や池だけでなく水道水にも生息しており、コンタクトレンズをつけたまま入浴したり、精製水を使用せず水道水で洗ったりすることによって感染する恐れがある。
英Mirrorによると、男性はスポーツジムで汗を流したあと、シャワーを浴びて帰るのが日課だったといい、その際コンタクトレンズは装着したままだった。一応、市販されているコンタクトレンズの場合、レンズを装着した状態で洗顔、入浴、水泳をすることを控えるよう「注意書き」がされているものの、知らないあるいは知っていても無視している人がほとんど。男性もその事についてまったく知らなかったという。
男性が英Mirrorに語った話では、最初は眼球が傷ついているような“違和感”から始まったという。しかし、次第に症状が悪化し、1週間以上経っても回復の兆しが見えないことから検眼技師のもとを訪れたところ、すぐさま病院に行くことを勧められ、近くの専門病院で診断を受けることに。
医師から診断されたのは「アカントアメーバ角膜炎」。眼球摘出の可能性もあると知り、はじめはひどく動揺したそうだが、病院で支給された点眼薬での治療を3週間近く続けたところ症状に改善が見られたため、男性は今後に対して希望を持ち始めていたという。
ところが、なんとその矢先に車の運転中に失明。
信じられないような話だが、男性いわく、ほんの一瞬にして右目の視力を失ったという。失明した直後は大好きな仕事に行く気力も失せてしまい、とにかく絶望のどん底にいたという男性は、その後、主に目に障がいがある人への支援を行なう非営利団体「Fight for Sight(ファイト・フォー・サイト)」に転職。
現在は、自分と同じようなツラい経験をする人たちがこれ以上増えないよう、コンタクトレンズの使用法への注意喚起を呼びかける活動を積極的に行なっている。(フロントロウ編集部)