テイラーのLGBTQ+アンセムがVMAを受賞
2019年のMTVミュージック・ビデオ・アワードで10部門にノミネートされ、すでに発表されただけでも、主要部門である最優秀ビデオ賞と、Videofor Good賞、最優秀視覚効果賞の3つを受賞したシンガーのテイラー・スウィフト。
2019年6月のプライド月間に合わせてリリースされたテイラーの楽曲「ユー・ニード・トゥ・カーム・ダウン」は、シンガーのアダム・ランバートや元祖ドラァグクイーンのル・ポールなど、LGBTQ+当事者であることを公表している総勢20名以上のセレブが出演し、LGBTQ+コミュニティを応援するアンセムとなっている。
現地時間8月26日に行なわれているMTVミュージック・ビデオ・アワードの授賞式でオープニングアクトを務めたテイラーは、「ユー・ニード・トゥ・カーム・ダウン」と「ラヴァー」を披露。多様性のあるダンサーたちとキラキラでカラフルなパフォーマンスを見せて観客を盛り上げた。
その後、テイラーは最優秀ビデオ賞の受賞スピーチに登場。そこで、LGBTQ+コミュニティを法的に支援することを呼びかけた。
「まずファンのみんなにありがとうと言いたいの。なぜなら、このミュージックビデオではいくつかの論点が作られたからね。このビデオにみんなが投票してくれたってことは、誰を愛しているとか、個人のアイデンティティにかかわらず、すべての人が法の下で平等に扱われる世界が良いってことでしょ。「ユー・ニード・トゥ・カーム・ダウン」のミュージックビデオの最後には、平等法への署名がつけられているの。まだ嘆願している状態なんだけど、平等法は、法の下ですべての人は平等の権利に値するっていうもの。署名してくれた人に感謝したい。だって現時点で50万の署名が集められていて、ホワイトハウスから返事をもらうための5倍の量だよ!」
テイラーが支持する平等法は、性的指向と性自認に基づく差別禁止を連邦法に明示することで、雇用や住宅、公共施設の使用など、すべての人がその生活を平等に送れるよう保障するもの。2015年と2017年にも法案は提出されたけれど、否決されていた。2019年5月に初めて下院を通過したけれど、上院で否決される可能性が高いとみられており、テイラーは上院に向けて、国民の意思をしっかりと汲み取るように訴えている。
スピーチの最後には苦い顔で時計を見るそぶりをみせ、すでに必要な署名の5倍の量が集まったにもかかわらず、ホワイトハウスからなんの反応もないことに痛烈な皮肉をおくった。(フロントロウ編集部)