今年も大型アートフェスのバーニングマンが開幕。多くの人々がイベントに魅了される理由とは?(フロントロウ編集部)

バーニングマンが開幕!

 バーニングマン(Burning Man)は、米ネバダ州ブラックロック砂漠で毎年8月の最終月曜日から9月の第1月曜日までの7日間にわたって開催されるアートフェスティバル。近年では、毎年約8万人が世界中から集結し、ヴィクトリアズ・シークレットのエンジェルとして活躍するマーサ・ハントサラ・サンパイオキャンディス・スワンポール、シンガーのケイティ・ペリーなど、多くのセレブが参加していることで知られている。

バーニングマンって?

 このフェスは、インターネットやテレビ、電話はもちろん、電気や水道が一切ない砂漠で、初対面の人たちと共同生活をし、架空の街「ブラック・ロック・シティー」を作りあげていくという参加型のイベント。そして一週間後には、バーニング(burn=燃やす)という名前の通り、すべてを燃やして元通りにする。

画像: バーニングマンって?

 主催者側が用意するのは、トイレと、食料の鮮度を維持するための氷のみ。水、食料、衣類、住居、燃料など、生きるために必要なものは、参加者が自分たちで調達しなければならない。

 そんな過酷と思える環境での生活に、なぜ人々が魅了されるのか。

バーニングマン「10の原則」って?

 人々がバーニングマンに魅了される理由は、このイベントに参加する人が守らなければならない「10の原則」に結びついている。

Radical Inclusion
誰でもバーニングマンに参加できる。見知らぬ人を歓迎し、リスペクトする。
Gifting
与えることを喜びとする。
Decommodification
商業主義とは決別する。お金儲けのための広告や、売買、宣伝、スポンサーシップがない環境を作ることを目指す。
Radical Self-reliance
他人の力をあてにしない。
Radical Self-expression
本来の自分を表現する。本当にやりたいことをして、なりたい自分になると同時に、他人の表現を尊重すること。
Communal Effort
隣人と協力する。
Civic Responsibility
法に従い、市民としての責任を果たす。
Leaving No Trace
跡は何も残さない。環境をリスペクトする。最後にきちんと片付けをし、もとより綺麗な場所にしてから帰ること。
Participation
積極的に社会に参加する。
Immediacy
「いま」を全力で生きる。現場での体験を大切にすること。

 他人をリスペクトしながら協力すること、環境に優しくあること、自分自身がアーティストとなって自己表現しながら芸術を生み出すこと、誰にでもオープンであること、一瞬一瞬を大切にすること、などが記されている10個の原則。バーニングマンでは、見ず知らずの人と食べ物を分け合うなど、お互いに助け合うことでコミュニティができていく。

モデルのアレッサンドラ・アンブロジオ

 1995年に初めてバーニングマンに参加し、すぐにそのイベントの魅力にとりつかれ、広報とマーケティングのディレクターを務めることになったというマリアン・グッテルは、TED Talk(※)に登場し、バーニングマンの魅力についてこう話した。
※様々な分野で活躍する人が、プレゼンテーションを披露するイベントのこと。

「バーニングマンは行動範囲を動かします。コミュニケーションの方法、人との繋がり方に大きな変化をもたらすのです。これは、社会的な実験の場とも言えます。バーニングマンで体験する喜びや体験というのは、その後、家に帰っても育てることができ、また毎日の生き方に、このバーニングマンの精神を取り入れることができるのです」

 現代生活に溢れかえるテクノロジーや情報、物などから離れ、人こそがすべてとなるバーニングマン。過酷な環境のなかで過ごし、「人生が変わるフェス」とも言われるバーニングマンのチケットは、ここ数年、販売から数時間で完売している。

近年浮上する懸念点も…

 ところが近年、写真“映え”目的のインスタグラマーや、リッチな人々が軽い旅行感覚でパッケージツアーとして参加する例が増えているそう。バーニングマンが商業的なイベントになることを避けるべく、すでに運営側は方針を打ち出しており、過去のイベントに貢献した人々へチケットを優先販売すること、同イベントをツアーとして提供する企業を見つけた場合、報告するように呼びかけている。(フロントロウ編集部)

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