ブラッド・ピットが元妻アンジェリーナ・ジョリーとの離婚がきっかけで経験した孤独やアルコール依存症の克服について口を開いた。(フロントロウ編集部)

「ドロ沼離婚」で経験した孤独

 ブラッド・ピットが主演映画『アド・アストラ』のプロモーションの一環として米ニューヨーク・タイムズのロングインタビューに登場。

 その中で、元妻で女優のアンジェリーナ・ジョリーと6人の子供たちの親権を争い、“ドロ沼”と形容された離婚裁判の最中に味わった孤独や、自身が抱えていたアルコール依存症との戦いについて語った。

画像: ブラッドとアンジェリーナは2019年4月に法的に「独身」であると認められ、パートナーシップを解消した。

ブラッドとアンジェリーナは2019年4月に法的に「独身」であると認められ、パートナーシップを解消した。

 『アド・アストラ』の撮影が行なわれたのは、ちょうどアンジェリーナとの離婚裁判が行なわれていた時期。

 記者から当時の心境について聞かれたブラッドは、一旦は、「家族のことで色々あったからね。まあ、その話は、それくらいにしておこうか」と話を逸らそうとしたものの、『アド・アストラ』の撮影に打ち込むことは孤独と向き合うための1つの手段となったかという質問には、こんな含みのある回答で孤独感に苛まれていたことを認めた。

「実際のところ、僕たちはみんな痛みや深い悲しみ、喪失感を抱えて生きている。ほとんどの場合はみんなそれを隠してるけど、それは確かにそこにあるし、僕らの中にある。だから、(それらの感情を閉じ込めている)箱を開けるんだ」


「禁酒会」に参加、アルコール依存を克服

 さらにブラッドは、以前、アンジェリーナとの離婚原因の1つであると自ら告白した、アルコール依存症にも改めて言及。

 以前の自分の飲酒癖について、「とにかく度を超えていた」と振り返ったブラッドは、「だから自分の中から酒を飲むという特権を排除した」と、アルコール依存症の克服に真摯に取り組んだことを明かした。

画像: 「禁酒会」に参加、アルコール依存を克服

 アルコールへの依存を断ち切るために約1年半にわたって禁酒会(アルコール中毒者更生会)に参加したというブラッド。

 男性だけで構成されたグループで行なわれたというミーティングでの経験については、こんな風に語った。

「大の男たちがじっと座って、包み隠さずオープンに語り合うんだ。僕はそんなのそれまで経験したことがなかった。誰もほかの人を批判したりしないし、だからこそ、自分も自分自身を否定したりしなくて済む。そんな安全な場所だと感じた」

 禁酒会に参加した一般男性たちは、誰ひとりとして、ブラッドがそこで話したことをタブロイド紙に売ったりしなかったという。

 男性たちがお互いを信頼し合える特別な空間に、一種のカタルシス(※)を見出したというブラッドは、禁酒会への参加は非常に良い経験になったと話した。

※心が浄化され、軽くなること

「自分の醜い側面を露呈するというのは、すごく開放的だった。とても価値のあることだよ」

 米Peopleへの関係者の証言によると、アンジェリーナとの別れをきっかけに、「より良い自分、より健康で、最高の父親を目指そう」と決心したというブラッド。

  アルコール依存との戦いと並行して、ライフスタイルを改善しようと努力した彼は、今では「人生を楽しんでいる」という。


『アド・アストラ』の役作りに活かす

 『アド・アストラ』の監督・脚本を手がけたジェームズ・グレイ監督は、ニューヨーク・タイムズに「ブラッドは、私生活で起きていた出来事を作品づくりの励みにしていたように思う。彼と個人的にプライベートについて話したわけではないけど、彼が自分自身の中に、本作で演じた役の本質を探し求めていたことは確かだと思う」と分析している。

画像: 映画『アド・アストラ』より。©SplashNews.com

映画『アド・アストラ』より。©SplashNews.com

 ブラッドが実生活での苦悩や孤独から見出したエッセンスを注いだ『アド・アストラ』は、ブラッド演じる宇宙飛行士のロイ・マクブライドと、ベテラン俳優のトミー・リー・ジョーンズ演じる20年前に失踪したロイの父親クリフォード・マクブライドの父子の関係が物語の軸となっている。

 同作は9月20日に日本公開。それに合わせて、9月中旬にブラッドが約2年ぶりの来日を果たすことも決定している。(フロントロウ編集部)

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