小学校のドッジボールに参加したら起訴
米ミシガン州で、小学校のドッジボールの試合に参加していた10歳の少年ブルースが起訴される事件が起きてしまった。

問題の事件は、今年4月に少年が通う小学校で行なわれたドッジボール。参加していた子供のうち1人の親が、子供がボールを当てられたせいで目や鼻にあざができ、最終的に脳震盪に陥ったと主張。
それを受けて学校は、ブルースの球が子供に当たった可能性があるとして1日の停学処分に。さらには、検察がブルースを起訴して裁判を行なうという通達を出す事態にまで発展してしまった。
当時、ドッジボールに参加していた子供のうちブルースだけが黒人で、その他の子供は白人だったという。

ブルースの母親は、自分の子供が不当な扱いを受けているとして、弁護士を雇うためのクラウドファンディングを設立。最終的に160万円以上の支援が集まり、ブルースの弁護が行なえることとなった。
検察側がミスを認める
裁判の準備が整い、闘う姿勢を見せたブルース側。すると、なんと検察側は裁判の前日に起訴を取り下げると発表!
検察側はブルースの弁護士に向けた手紙のなかで、「この起訴は、検察による判断ミスでした」と認め、同じような事例が起きないように検察内のシステムを改善していくと述べた。

起訴は取り下げられたとはいえ、愛する息子が不当な扱いを受けて心に残る傷をつけられたブルースの母親は、記者団に皮肉交じりにこう話した。
「もし子供がドッジボールに参加して、ボールを他の子供に投げたことで牢屋に入れられるのであれば、この国のほとんどの人が刑務所に入ることになるでしょう。私の息子に向けられた罪は、ばかげていて、人種差別的で、アメリカらしくなく、不当です。私の息子が1つ罪を犯したとすれば、黒人少年として生きているということでしょう」
(フロントロウ編集部)