日本の名曲をサンプリングしたラップソング
「アイ・トゥック・ア・ピル・イン・イビサ(I Took a Pill in Ibiza)」が2017年のグラミー賞の年間最優秀楽曲にノミネートされたアメリカ人シンガーのマイク・ポズナーが、新曲「Slow it Down(スロー・イット・ダウン)」をリリースした。
ジャスティン・ビーバーの「ボーイフレンド」やマルーン5の「シュガー」といったヒット曲の共同制作者にも名を連ねるマイクが、「僕は自分が作った刑務所の中に閉じ込められている」、「頭の中のネガティブな考えに身動きが取れなくなって/ベッドから出られない日だってある」と心に抱える闇と向き合いながら、それでも、ゆっくりと前に進もうとする決意を歌った同曲。
そんな楽曲のサンプルトラックに選ばれたのは、海外でも高い評価を受ける日本人ミュージシャン、坂本龍一が主演・サウンドトラックを担当した映画『戦場のメリークリスマス』のために制作した主題歌「Merry Christmas Mr. Lawrence(戦場のメリークリスマス)」。
1983年に公開された映画『戦場のメリークリスマス』は、大島渚が監督を務め、親日家で知られるシンガーの故デヴィッド・ボウイやスコットランド出身の名優トム・コンティ、そして、当時ほとんど演技経験が無かったビートたけしといった異色の顔ぶれがキャストに名を連ねたことでも話題に。坂本氏は同楽曲で英国アカデミー賞の作曲賞ほか数々のアワードを受賞している。
日本人なら一度は必ず耳にしたことがある「Merry Christmas Mr. Lawrence」のせつなく美しい旋律にのせて、マイクが渾身のリリックを紡ぐ「Slow it Down」は、この秋ヘビロテしたい神曲。
ちなみにマイクは、2019年の年明けからアメリカ大陸を徒歩で移動し、各州で新曲を披露するという試みに挑戦中。その模様をインスタグラムで公開している。
マイク曰く、「Slow it Down」は、「一度ペースを落として、自分の頭の中を整理し、本当に大切なものは何かを確かめる」という、彼自身にとって今一番必要なことについて歌った楽曲。マイクは、「みなさんにとってもこの曲が自分の内面と向き合う手助けになってくれたらいいなと願っています」と語っている。(フロントロウ編集部)