自伝映画ブーム!次に作られるのは?
2018年にクイーンの唯一無二のボーカルであるフレディ・マーキュリーの生涯を描いた映画『ボヘミアン・ラプソディ』が世界中で大ヒットして以降、エルトン・ジョンの人生を描いた『ロケットマン』が公開され、自伝映画とは少し違うものの、ブルース・スプリングスティーンに影響を受けた『ブラインデッド・バイ・ザ・ライト』や、ザ・ビートルズのいない世界を描いた『イエスタデイ』など、アーティストの音楽に影響され、劇中にふんだんに楽曲が使用された映画が続々と公開。
さらに、2021年にはキング・オブ・ロックンロールと称されるエルヴィス・プレスリーの伝記映画が公開されることが決定し、ますます自伝映画というジャンルが盛り上がりを見せているなか、ある伝説のグループの自伝映画を制作する計画が持ち上がっている。
自伝映画について話し合いの場が設けられていると言われているのは、伝説のロックバンドとして今なお語り継がれているレッド・ツェッペリン。ドラマーのジョン・ボーナムが不慮の出来事で亡くなると、それがきっかけで人気絶頂のなかレッド・ツェッペリンは1980年に解散。その後、2007年に行なわれた1夜限りの復活ライブは、ジョンの息子であるジェイソン・ボーナムが父親の代わりにドラムを叩き、その伝説のライブのチケットはオークションで1,000万円を超えるという驚愕の価格で落札された。
ファンにとってレッド・ツェッペリンの伝記映画は複雑な心境の人もいるかもしれないけれど、じつは伝記映画について話し合いが設けられていると、レッド・ツェッペリンのギタリストであるジミー・ペイジが英アンカットに明かした。
ジミーは伝記映画について「話し合いは行なわれている。レッド・ツェッペリンで金儲けをしたいヤツらはいつも大勢いるからね。シベリアやロサンゼルスで今話し合いが行なわれているよ」と明かした。しかし、実際に話し合いが設けられているだけで、「本当に大事なことに忙しくて起こりもしないことに構っていられないんだ」と、実現する可能性は低いことを示唆した。
また、2020年には新たなアルバムをリリースすることが決定しているボン・ジョヴィにも伝記映画についての質問が。ボン・ジョヴィのボーカルであるジョン・ボン・ジョヴィは、ランナウェイ・トゥ・パラダイスというクルージングイベントでファンから自伝映画の制作について聞かれると、「そのやり方はもうすでにやられているからね。ボン・ジョヴィがブロードウェイのミュージカルを行なわなかったのも同じ理由。それはとっくに同じことがやられていたんだ。『ボヘミアン・ラプソディ』のアイディアは好きだし、『ロケットマン』も(『ボヘミアン・ラプソディ』とは)違い、『イエスタデイ』は(どちらとも)完全に違う。『ブラインデッド・バイ・ザ・ライト』はまだ見ていないけど。僕たちの音楽がどのように使われているか見たいけれど、もうどれもやられているから」と、伝記映画についてコメントした。
映画界には自伝映画ブームが到来しており、ファンが映画化を望むアーティストはたくさんいる。しかし題材となるのは、大御所アーティストたち。すでにキャリアと名声を確立した彼らにとって、自伝映画の制作に乗り出すのは、アーティストとして新たなクリエイティビティを発揮できるから。そのため、二番煎じにはならないオリジナルなアイディアが提案できない限りは、アーティストサイドから映画制作の承認を取れる可能性は低いだろう。(フロントロウ編集部)