2019年9月27日から始まったNetflixの新ドラマ『ザ・ポリティシャン』が大人気。シーズン2の製作が決定している本作の見どころと、魅力あふれるキャストを紹介。(フロントロウ編集部)

たかが生徒会選挙とは言えないストーリー

 Netflixの新ドラマ『ザ・ポリティシャン』が今注目を浴びている。

 本作はカリフォルニアの高級住宅街を舞台に、とあるセレブ高校性がアメリカ大統領になる夢をつかみ取るための第一歩として、生徒会長を目指す青春ドラマ。

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 「殺す」や「暗殺」などの過激な言葉も飛び出し、もはや学園ものというよりは政治サスペンス。高校生なのに買収や汚職、不正投票など、政治的な問題を次々描き出しているさまは、現代社会への強いメッセージが込められている。

『ザ・ポリティシャン』は難しい話じゃない

 『ザ・ポリティシャン』は「『Glee/グリー』の政治版」みたいだという前評判があったから「もしかして難しい話なのでは?」と思っている人もいるかもしれないけれど、そんなことはないので安心して。重すぎず、軽すぎず、テンポよく進む展開が見ていて飽きないし、歌を歌うシーンだってある。服装もとってもキュートで、ポップな色使いが多い映像もきれい。

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 確かに、学校内政治をテーマに扱っているから緊張感はあるけれど、セレブがゆえに起こる現実離れした思考回路のクセが強すぎて、見るのをやめられなくなる。

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 もちろん、人生に付きまとう不安もしっかりと描写されているので誰しもが共感をもって見ることができる。親とのギスギス感や友達同士の駆け引きには王道のワクワクがあり、主人公が心の葛藤で疑心暗鬼になる姿は見ていてかわいそう。けれども、そういう引き込まれるストーリーも最大の魅力になっている。

様々な背景のキャラクターが魅力

 『ザ・ポリティシャン』には、さまざまな背景を持った生徒が登場する。LGBTQ+、人種、障害、貧困など、いたるところに存在している事象を自然にストーリーに混ぜ込んでいるので、セレブ高校生の話だと侮ってはいけない。

 今回は、そんな登場人物たちのプロフィールとドラマにおける関係性をご紹介。

ペイトン・ホバート役:ベン・プラット

 ペイトンは、大統領になることを幼い頃から夢見てきた高校生。そのためにはまず、ハーバード大学に入学しなければならない。その第一歩として、高校の生徒会長選挙に立候補するけれど、敵が多くて大変。裕福で自信家に見えるけど実は養子に入ったという過去があり、家族関係に問題を抱えている。

画像: ペイトン・ホバート役:ベン・プラット

 ペイトンを演じるベンはユダヤ系アメリカ人。彼の魅力は何といっても、エモーショナルな演技。歌も上手く、圧巻の歌唱力に誰しも驚くはず。それもそのはず、ベンはブロードウェイ・ミュージカル『ディアー・エヴァン・ハンセン(Dear Evan Hansen)』でトニー賞ミュージカル主演男優賞を受賞し、アカペラ部の活躍を描く映画『ピッチ・パーフェクト』シリーズにも出演している。


アリス・チャールズ役:ジュリア・シュレイファー

 ペイトンの彼女で、将来ファーストレディになることを計画している。ペイトンを超える野心家で、大統領になれるくらいの知性を持つが、あくまで夢は大統領夫人。話し方から服装までつねに“完璧”で、目に留まる存在でありながら目立ちすぎないという見事な立ち回り。

画像: アリス・チャールズ役:ジュリア・シュレイファー

 アリスを演じるジュリアは2017年にキャリアをスタートさせたばかり。フレッシュな彼女は、『ザ・ポリティシャン』で堂々たる演技を披露してくれている。ブロンドヘアーに青い瞳を持つジュリアは高校生になってけがをするまではバレリーナだったためか、マネしたくなるほど姿勢がいい!


ジェームズ・サリヴァン役:テオ・ジャーメイン

 ペイトンとは8歳の頃からの友達で、ペイトンを補佐してくれる人物。ペイトンの政治活動が危険になるとかなりナーバスになってしまうが、彼には大きな秘密が。

画像: ジェームズ・サリヴァン役:テオ・ジャーメイン

 ジェームズ役のテオは、女性として生まれ男性として生きるトランスジェンダーの男性。キャスティングの時点では、トランス男性を募集していたため応募したらしいけれど、本編では結局どういうスタンスなのかはあえてわからない作りにされている。ここには、テレビ業界でのLGBTQ+のキャラクターの描かれ方や役者の起用に対して積極的にアクションを起こしているプロデューサーのライアン・マーフィーの思いが見え隠れする。


マカフィー・ウェストブルック役:ローラ・ドレイファス

 ジェームズと一緒にペイトンの補佐役をしている。聡明で率直な彼女はペイトンのアドバイザー。フォーマルでカラフルなスーツに大きなサングラスを合わせていることが多い。

画像: マカフィー・ウェストブルック役:ローラ・ドレイファス

 ローラは現在31歳であるにもかかわらず26歳のベン・プラットと高校生役として『ザ・ポリティシャン』を演じることに、ワクワクしていたという。彼女は、ベンとブロードウェイ・ミュージカル『ディアー・エヴァン・ハンセン』で共演し、歌も非常に上手。


ジョージナ・ホバート役:グウィネス・パルトロウ

 ジョージナは地域屈指の資産家で、ペイトンの母親。血のつながった息子たちよりも養子であるペイトンを愛している。超資産家の妻の豪華すぎるファッションに注目。

画像: ジョージナ・ホバート役:グウィネス・パルトロウ

 グウィネスはマーベル映画『アイアンマン』のペッパー役としても知られている。1998年に映画『恋におちたシェイクスピア』で第71回アカデミー賞主演女優賞を受賞するほどの実力派。同作をライアン・マーフィーと共にプロデュースするブラッド・ファルチャックと2018年に結婚したばかり。

 ちなみに、ペイトンの双子の兄弟ルーサー・ホバートとマーティン・ホバートは、実の双子であるトレバー・イーソンと、トレイ・イーソンが演じている。


インフィニティ・ジャクソン役:ゾーイ・ドゥイッチ

 インフィニティはがんを患っているという設定の女の子。がん治療の副作用のためか、いつも帽子をかぶって頭部を隠している。けれども、祖母のダスティ・ジャクソンの世話を受けながら暮らす彼女には、大きな秘密があった…。

画像: インフィニティ・ジャクソン役:ゾーイ・ドゥイッチ

 ゾーイーは、映画監督の父と俳優の母をもつ2世セレブ。テレビシリーズ『クリミナル・マインド 特命捜査班レッドセル』や『NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』などに出演しており、人気が高い。『ザ・ポリティシャン』では髪の毛が見えない役を務めているけれど、本来の彼女はミディアムヘアーをしている。


リヴァー・バークレー役:デビット・コレンズウェット

 リヴァーはハンサムで何でもできる学校の王子様的な男の子だけれども、あまり自信がない雰囲気。彼はペイトンと複雑な関係にあるのだが、学校の人気者である彼が生徒会長選に立候補したことでその関係はさらに複雑になる。

画像: リヴァー・バークレー役:デビット・コレンズウェット

 リヴァー役のデビットは、『エレメンタリーホームズ&ワトソン in NY』や『ハウス・オブ・カード』などのTVシリーズなどに出演経験あり。本編の衝撃的な展開は見逃せない。


アストリッド・スローン役:ルーシー・ボイントン

 アストリッドは、リヴァーの彼女。権力への欲がとても大きく、1番になることを求める父親との関係に難アリ。いつもエレガントな服を身に着けていて、美しくキツめの性格。

画像: アストリッド・スローン役:ルーシー・ボイントン

 ルーシーは映画『オリエント急行殺人事件』や『ボヘミアン・ラプソディ』など大作映画に立て続けに出演している注目俳優。そして、『ボヘミアン・ラプソディ』の共演から交際に発展したラミ・マレックとは憧れのカップルとして大人気。


スカイ・レイトン役:レイン・ジョーンズ

 ジェンダー・ノンコンフォーミング(※)の黒人生徒。マイノリティの声の代表として、リヴァーに副会長のオファーを受ける。

※伝統的な「男性」「女性」というジェンダーが持つ概念に合致しない人のこと。

画像: スカイ・レイトン役:レイン・ジョーンズ

 レインはレズビアンであることをオープンにしている俳優。演技の世界に足を踏み入れたばかりであるレインは、新人ながら、本作でずっとファンだったというライアン・マーフィー作品に抜擢されブレイクしている。

 他にもアストリッドの両親としてドアマ『アメリカン・ホラー・ストーリー』シリーズのディラン・マクダーモット、映画『マッドメン』のジャニュアリー・ジョーンズが出演。また映画『ローズ』などのベット・ミトラーや、『トランスペアレント』のジュディス・ライトも後半で登場。

 フレッシュなキャストも円熟の俳優も多数登場し、豊かな多様性で作り上げられた世界観を、ぜひ堪能して。(フロントロウ編集部)

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