キャットウーマン役に抜擢
俳優のゾーイ・クラヴィッツが映画『トワイライト』の俳優ロバート・パティンソンを“新・バットマン”に迎え、DCエクステンデッド・ユニバースから新たに制作される映画『The Batman(原題)』でキャットウーマン役に抜擢されたことが発表された。
有名シンガーのレニー・クラヴィッツと俳優のリサ・ボネットを両親に持つゾーイは、シンガーやモデルとしての活動と並行して、役者としての才能を開花させ、これまでに『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』(2011年)、『X-MEN: フューチャー&パスト』(2011)、『マッドマックス怒りのデス・ロード』(2015年)、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016年)といった話題作の数々に出演。
最近では、豪華俳優陣が集結したことでも話題の米HBOの大ヒットミステリードラマ『ビッグ・リトル・ライズ』でメインキャスト1人を演じている。
猫のコスチュームを身にまとった怪盗キャットウーマンと言えば、1960年代のテレビドラマではジュリー・ニューマー、アーサー・キット、リー・メリウェザーといった名優が演じたほか、映画『バットマン リターンズ』(1992年)ではミシェル・ファイファー、キャットウーマン単独映画『キャットウーマン』(2004年)ではハル・ベリー、『ダークナイトライジング』(2012年)ではアン・ハサウェイといった、今やハリウッドを代表する錚々たる役者たちが演じてきた『バットマン』シリーズには欠かせない名キャラクター。
2021年公開予定の『The Batman』の配役に関しても、以前から世間の大きな注目を集めており、米Varietyによると、最終候補には、ゾーイのほかにも映画『ジョーカー』や『デッドプール2』のザジー・ビーツ、『ベイビー・ドライバー』や『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』のエイザ・ゴンザレス、『リリーのすべて』や『トゥームレイダーファースト・ミッション』のアリシア・ヴィキャンデルといった旬の俳優たちが最終候補に残ったが、ゾーイに白羽の矢が立った。
ちなみに今回のキャスティングとは関係無いようだが、ゾーイは、2017年公開のアニメーション映画『レゴバットマン ザ・ムービー』でキャットウーマンの声を担当した。
『バットマン』シリーズを“門前払い”された過去
そんなゾーイには、じつは、クリストファー・ノーラン監督が手がけた過去の『バットマン』シリーズ作品から門前払いを食らった苦い経験がある。
ノーラン監督の3部作“ダークナイト・トリロジー”の最終章となった作品『ダークナイトライジング』への出演を熱望していたゾーイだが、「都会的すぎる」という不明瞭な理由でオーディションに応募するチャンスすら与えてもらえなかったという。
「都会的すぎる」とは、遠まわしな言い方で、黒人の血を引く、もしくは様々な人種が混ざったエキゾチックな容姿を持つゾーイのような人材は、同作の制作陣には求められていなかったという意味。
この時のエピソードについて、ゾーイは、2015年に公開された米NYLONのインタビューで少し呆れた様子で悔しさを滲ませていた。
「『ダークナイト ライジング』では、私の見た目が“都会的すぎる”っていう理由で小さな役のオーディションすら受けさせてもらえなかった。“一体、物語と何のか関係があるの?”って納得がいかなかったな。だって、私には“よう、バットマン、元気?調子どう?”みたいなチャラい役しかできないって勝手に決めつけられているみたいだった」
単独映画『キャットウーマン』に主演したハル・ベリーも黒人の血を引く役者であり、ゾーイがキャットウーマンを演じる史上初の黒人の血を引く女性というわけではないものの、彼女が過去に人種を理由に『バットマン』シリーズへの出演のチャンスを奪われていたという裏話を知る人々は、とくに今回のゾーイのキャスティングに歓喜している。
2017年公開の『ジャスティス・リーグ』をもってバットマン役を引退したベン・アフレックからロバートがバトンを引き継ぐ形で新・バットマン役を務め、ゾーイが妖艶なキャットウーマンを演じる『The Batman』は、映画『猿の惑星: 新世紀』などの作品で知られるマット・リーヴス監督がメガホンを取り、2020年の夏にも撮影が開始予定。全米公開は6月25日と発表されている。(フロントロウ編集部)