海外で「ベビーナップ(Baby-nup)」なるものを結ぶ新ママ&パパたちが急増中。育児にまつわる大事なことを事前に決めておく契約って一体どういうもの? (フロントロウ編集部)

「ベビーナップ」ってなに?

 結婚前に結婚生活におけるアレコレや、もし将来的に離婚してしまった場合の財産分与などを決めておく「婚前契約(Prenup/プリナップ)」は、海外セレブたちの間でもはや常識となっており、日本でもこの習慣について知っている人は多いはず。

 婚前契約と同じ要領で、我が子が誕生する前に、両親が話し合い、育児にまつわるあらゆることを決めておくのが、今、海外のカップルの間で取り入れる人が急増している「ベビーナップ(Baby-nup/出生前契約)」。

画像: 「ベビーナップ」ってなに?

 新たに親となる人たちに向けたコーチング・サービスを運営する米GIT MomsのCEOであるエリン・ハイデルベルグ氏は、「ほとんどの親たちは、小さな命の誕生によって自分たちの生活がどれだけ劇的に変化するかを理解できていません。インスタグラムに溢れる幸せそうで完璧な子供部屋の写真を見て、子育ては、きっと絵に描いたように素晴らしものだと、理想を思い描いているのです。しかし現実はそうではありません」と、米She Knowsにコメント。

 だからこそ、赤ちゃんが誕生する前にパートナー同士が今後の子育てについて真剣に話し合う機会を持ち、これから訪れる子育ての荒波に備えておくことが必須だと「ベビーナップ」の有用性を語った。「ベビーナップは両親となる人々の間で、重要な会話をスタートさせるきっかけになります。赤ちゃんが生まれた瞬間から、ライフスタイルは一変します。産後、ホルモンの変化や睡眠不足でイライラする前に、冷静にお互いの考えや要望を話し合うことはとても大切なことです」。


「ベビーナップ」では何を決める?

 子育てを通じてパートナーとの関係は大きく変化する。慣れない育児に奔走し、自分の時間が持てなくなり、ストレスも溜まる一方な状況で、「誰が何をやるか」、「誰が何をやらなかったか」という言い争いは、たとえ最初は小さなことでも、やがて積み重なり、今後の2人の関係にも大きな影響を及ぼす。共働きの家庭なればなおさらだ。

画像: 「ベビーナップ」では何を決める?

 しかし、ある程度の役割分担を事前に決めておくことができれば、多少のパニックやトラブルは未然に防ぐことができる。それには、赤ちゃんの身の回りの世話に限らず、料理や洗濯といった一般的な家事をどのように協力してこなしていくかという点も含まれる。

 「ベビーナップ」で決めておくべきことの一般的な例は下記の通り。

●  どの育児を誰が主に担当するか(オムツ替え、入浴、ミルク、洗濯、寝かしつけ etc.)
●  炊事洗濯、買い出し、掃除、ゴミ出しなどの一般的な家事の役割分担
● 義理の両親や親族、友人らが訪問する際のルール
● 子供の将来のために毎月いくら貯金するか
● SNSに子供の写真を投稿するのはアリ or ナシ? 
● どのようにしてお互いの“自由な時間”を確保するか

 「ベビーナップ」は、赤ちゃんが生まれる以前、正確にはどのようなことが起こるか把握できていないうえで結ばれる契約なので、もちろん、赤ちゃんの誕生後にその時のニーズや変化に合わせて内容を見直しても良い。

 ただ、「ベビーナップ」として約束したことに関しては、しっかりと守り、お互いがつねに誠意ある対応を心がけるようにすれば、パートナー間のムダな争いは避けられ、円満な関係を維持する手助けとなる。


すでに取り入れているセレブも

 『スノーホワイト/氷の王国』(2016年)や『メリー・ポピンズリターンズ』(2018年)、そして今後公開される映画『ジャングルクルーズ』(2020年)など、ディズニー実写版映画の常連キャストとして知られるイギリス人俳優のエミリー・ブラントとの間に誕生した娘2人の育児を分担している。

画像: すでに取り入れているセレブも

 エミリーは、長女のヘーゼルちゃんが誕生したばかりの2014年の英The Telegraphとのインタビューで、おむつ替えは夫ジョンの担当だと告白。「ジョンはおむつ替えの王様よ!」と2人の間での取り決めについて話した。

 我が子の誕生前は、ワクワクする反面、誰でも浮き足立ったり、不安を抱えたりするもの。そんな胸の内について腹を割って話し合い、お互いへの協力体制を整えておくという点では、「ベビーナップ」はかなり有効。

 海外でも、婚前契約とは違い、弁護士を通して法的な契約を結ぶというカップルは少ないけれど、パートナーとの絆を深め、手を取り合って親となる決意を新たにするという意味でも、「ベビーナップ」を試してみる価値は充分にありそう。(フロントロウ編集部)

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