同性愛者のラブシーンだけがカット
映画『Booksmart(ブックスマート)』は、主人公のエイミーとモリーを主役に、高校生たちの苦悩や恋愛を描く青春映画。ケイトリン・ディーヴァーが演じるエイミーは、同性愛者である。
そんな『Booksmart』をエティハド航空の機内で見たという映画評論家ミカエラ・バートンのツイートが、大きな議論を呼んでいる。
「『Booksmart』を飛行機で見たんだけど、レズビアンのラブシーンが全カットされてた。キスシーンさえもね!ところで、ストレートの人達はキスシーンがあったから心配しないでよ」
同性愛者のラブシーンだけがカットされていることを指摘したミカエラ。すると、この出来事を知った『Booksmart』の監督であり、女優としても活躍するオリヴィア・ワイルドが怒りのツイート。
「これって最悪。ヌードシーンがあるわけでもないのに。飛行機での鑑賞になんの問題があるっていうの?その航空会社どこ?」
このオリヴィアのツイートには、多くの反応が。あるユーザーが、デルタ航空ではレズビアンという言葉もカットされていたと明かすと、オリヴィアは「レズビアンって単語を検閲するだなんて、理解できないくらい狂気の沙汰だよ。なにが起こってるの」と混乱した様子でコメントした。
また、この出来事を知ったほかのネットユーザーからは、同性愛者であるシンガーのエルトン・ジョンの伝記映画『ロケットマン』でもラブシーンがカットされているにもかかわらず、その過激な内容で知られる『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』のラブシーンに変更はなかったとの指摘が寄せられた。
飛行機内で見られる映画は編集されている
飛行機で見られる映画は、それぞれの航空会社の規定に従って選ばれており、その内容によっては編集されたものが流されることもある。
しかし、異性愛者のラブシーンは認められ、同性愛者のラブシーンは認められないという不平等はこれまでもたびたび問題になっている。
女性間の愛情を描いた2015年の映画『キャロル』も、一部の航空会社で主人公たちのラブシーンがカット。ツイッターで#freecarol(キャロルを解放しろ)というハッシュタグが作られるほどの騒動となった。
また、昨年2018年に大ヒットした『ボヘミアン・ラプソディ』でも、ラブシーンからゲイという単語までもがカットされていたことが話題になった。
この問題を再度指摘した、自身も同性愛者であるミカエラはこうツイートしている。
「私たちのセクシャリテイはたびたび、フェチであるとか、悪霊のせいであると言われて、私たちのアイデンティティ(を示す単語)は、呪いの言葉だとみなされてる。2019年には、そういったものがもっと受け入れられるようにしよう」
(フロントロウ編集部)