世界を動かす環境活動家グレタ・トゥーンベリ
スウェーデンを拠点とする16歳の環境活動家グレタ・トゥーンベリは、2018年に温暖化対策を行なわない国や大人に対して抗議するため、金曜日に学校を休み、たった1人でスウェーデン議会の前でデモを始めた。1人で始めたグレタの活動は世界中の若者に支持され、2019年9月に世界各国で開催された環境デモには、400万人以上が参加したとみられる。
先日チリのサンティアゴで行なわれた環境デモには、100万人以上が参加したとみられる。
今では、国連の環境会議や国際経済フォーラムなど、多くの権威あるサミットに招かれるグレタ。そんな彼女が、北欧理事会環境賞に選出された。環境活動家としての名誉と、約560万円の賞金が贈られる環境賞だけれど、グレタは辞退した。
グレタは、「北欧理事会の環境賞には感謝を言いたいと思います。これは非常に名誉なことです」としたうえで、受賞を辞退する理由を語った。
「環境活動に対する各賞は、もう必要のないことでしょう。私たちが必要なのは、政治家や、力を持つ人々が今存在する最新で最高の科学に耳を傾けることです」
地球での温暖化対策を進めるうえで重要な道筋を示した、世界各国が合意するパリ協定。この協定では各国の経済活動等から、それぞれの国が最大限行なえる対策内容が取り決められており、経済的に豊かである北欧諸国は他の国々と比較して、温暖化対策を「1番行なえる可能性がある」とグレタは考える。
しかし、北欧諸国が「依然として何もしていない」にもかかわらず、政治関係者によって運営される北欧理事会がその巨大な政治の力を使わずに、ただ環境賞をグレタに授与しようとしたことに彼女は反発。グレタは自身のインスタグラムに掲載した声明で、若者が大人に対して未来のために抵抗するロックな姿勢を見せ、こう締めくくった。
「よって、あなたたちが、科学が言うように地球の温暖化が1.5℃、最高でも2℃以下に抑えられるよう行動を開始するまで、私と、(グレタが主催する活動である)FridaysFor Futureは、北欧理事会環境賞および賞金500,000スウェーデン・クローナを受け取らないことを選択します」
(フロントロウ編集部)