CEOの自宅で銃撃事件と偽通報
11月最初の週末に、カリフォルニア州とニューヨーク州に建つインスタグラムのアダム・モッセーリ代表とその家族の自宅に警察や特殊部隊が出動する事件が立て続けに起きた。
1日には、サンフランシスコに建つモッセーリ氏の約6億円の豪邸で発砲事件があったと通報があり、警察が自宅に急行。しかし現場に到着したあとに、通報が嘘だったことがわかった。
そしてその数日後、今度はニューヨーク州に建つモッセーリ氏の兄弟の自宅マンションに男が拳銃を持ってたてこもっている疑いがあり、警察と緊急出動部隊が現場へ。「ケンカの末に妻を撃った」と警察に自白の電話があり、警察は電話の人物をモッセーリ氏の兄弟だと思い込み、玄関ドアを破って侵入したが、自宅には誰もいなかったという。
デジタル界で相次ぐスワッティング
嫌いな人を困らせるために「銃を持った人がいる」といった嘘の通報をしてその人の家に警察や特殊部隊を出動させるスワッティングは、近年問題になっている迷惑行為。
特殊部隊を出動させる税金の無駄遣いになる、本当に起きている事件から人員を奪うなどの問題のほか、2007年にはスワッティングされた住宅に暮らしていた男性が駆けつけた特殊部隊に射殺される事件が発生。生死にかかわる危険行為として問題視されている。
このスワッティングが、最近、デジタル界で増加の傾向を見せている。
先週末のインスタグラムCEOに関連したスワッティングの前には、1月に、フェイスブックの役員が妻を撃って子供たちを人質にたてこもっているという偽の通報があり、同役員の自宅に警察が急行した。
こういった事件を受けて、IT企業は社員を守るためのセキュリティ対策の強化に乗り出していると米Wallstreet Journalが報じた。(フロントロウ編集部)