エリザベス女王を演じたこともあるヘレン・ミレン
イギリスを代表する俳優の1人であるヘレン・ミレンは、これまでにアカデミー賞、エミー賞、トニー賞を何度も受賞した演劇の三冠王。2003年には大英帝国勲章を受勲し、デイムの栄誉称号を得ている。
そんなヘレンは、ある時エリザベス女王のお茶会に招待されたという。それ以前にも、エリザベス女王が主催し、200人ほどのゲストが呼ばれたお茶会に参加したことのあったヘレンは、もちろん招待を受けたそう。
パーティーのようなものを想像して会場に向かったヘレンが目にしたのは、エリザベス女王と夫フィリップ殿下、そして何かしらの首長と英国馬術界の関係者数人だけが座るテーブル!
エリザベス女王との予期せぬ完全プライベートな雰囲気のお茶会で、自分には知識のない馬の話が繰り広げられるなかでは、さすがのヘレンもガチガチに緊張。必死に上品に話そうとしたけれど、意味の分からないことを口走ってしまったという。
そんな時、紅茶にミルクを入れたいと思ったというヘレン。しかしミルクが置かれていたのは、なんとフィリップ殿下の横。ヘレンによると、それに気がついた瞬間に彼女の頭は動くのを止めたそうで、ずっとこんな疑問が頭の中をぐるぐるしていたという。
「(フィリップ殿下への呼びかけは)サー?陛下?殿下?彼にミルクを取ってくださいと頼むのは失礼にあたるの?従者に頼むべきなの?」
結局ヘレンは紅茶にミルクを入れることを断念。ヘレンは当時の経験を、「恥のレッスンだったわ。でもエリザベス女王とフィリップ殿下は素敵な方で、本当に親切なのよ」と、ゲストとして登場したイベントHelen Mirren and Hawk Koch Discuss The Magic of Moviesで話した。
ちなみに、ヘレンがアカデミー賞主演女優賞を受賞したのは、ヘレンがエリザベス女王を演じた映画『クィーン』によって。しかし本人を演じるのと、本人を目の前にお茶を楽しむのとでは、演技のほうが簡単だったよう。(フロントロウ編集部)