パティの焼き方にクレーム
米ハンバーガーチェーンのバーガーキングが今夏からアメリカ国内で販売を始め、大ヒットとなっている植物由来のパティを使ったハンバーガー「インポッシブル・ワッパー」をめぐって、菜食主義者の顧客たちが訴えを起こしている。
米TMZの報道によると、アトランタ州で同社に対して集団訴訟を起こした男性は、訴状の中で「インポッシブル・ワッパーは、肉を使用した同社の人気定番メニュー“インポッシブル・バーガー”のヴィ―ガン(完全菜食主義者)向けの代替的商品だと宣伝されているのにも関わらず、肉を使った通常のパティと同じグリルで調理されている」と、インポッシブル・ワッパーの“汚染”を主張。動物性由来の食品が触れた器具でヴィ―ガン向けの商品を調理するべきではないと訴えているほか、メニューに本物の肉でできたパティと同じ方法で調理される旨が明記されていないのはおかしいとしている。
この男性は、自身のほかにも、たくさんのヴィ―ガン顧客たちがインターネット上で同様のクレームを口にしていると続け、損害賠償を求めるとともに、バーガーキングの各店舗で植物性のパティと動物性のパティを同じグリルで焼くことを全面禁止としてほしいと訴えている。
バーガーキング側は、8月のインポッシブル・ワッパーの発売に合わせ、アレルギー誘発物質として卵を含んでいることを開示。そのことから動物由来材料ゼロの“ヴィ―ガン商品”とは呼べないことを米Business Insiderに明かしていた。
さらに、同社は、同商品が動物由来のほかの商品と同じ環境で扱われることに抵抗があるベジタリアン(菜食主義者)もしくはヴィーガンの顧客は、肉用のグリルとは異なるオーブンを使用した調理法を選択できることを公式ウェブサイトの栄養表示の欄に記載している。
全米に3000軒を超える店舗を展開するバーガーキングだけに、もしも原告側の訴えが認められ、肉用のグリルとは別に植物性由来のパティのみの調理に使うグリルを全店舗で導入することとなると、設置には膨大な額のコストがかかることが予想される。(フロントロウ編集部)