ブレンダが経験した“人種差別”について語る
ディズニー・チャンネルのテレビドラマ『スイート・ライフ』に出演してブレイクを果たした俳優のブレンダ・ソング。最近では、アニメーションドラマ『Amphibia』で声優を担当し、Netflixのオリジナルドラマ『密かな企み(原題:Secret Obsession)』で主演を務めている。
俳優として再び活動を増やしているブレンダだけれど、ある映画で、オーディションを受けるチャンスすら与えられなかったことがあると米Teen Vogueに語った。
「多くの人は知らないと思うけど、私はその台本を読むことすらできなかった。1度もよ。彼らが私に言ったのは、私に“アジア人っぽさが足りない”ということ。はっきりとは言わなかったけれどね。とても傷ついたわ。私は、『このキャラクターは、20代後半のアジア系アメリカ人なのに、オーディションを受けることすらできないの?私はこれまで白人のためのオーディションを受けてきたのに、この特定の役柄はやらせてくれないの?私がずっとこれまで頑張ってきたことを非難するの?』って思った。『私はどこに自分の居場所があるんだろう』とも感じたわ」
ブレンダが受けられなかったオーディションは、2018年に公開された映画『クレイジー・リッチ!』のもの。『クレイジー・リッチ!』といえば、キャスト全員がアジア系の俳優を起用し、アメリカで大ヒットを記録。アジア系俳優がキャストの映画やテレビはヒットしないというハリウッドの従来の概念を覆した。
そんな同作についてブレンダは、「アジア人らしさに欠ける」という理由で、オーディションの参加を断られたことを告白。中国のモン族系の父親とタイ系の母親を持つにもかかわらず、理不尽な人種差別を受けたと明かした。
ドラマ『スイート・ライフ』では、「アジア人=秀才」という西洋にあるステレオタイプを壊すキャラクターで、人気を集めたブレンダ。ディズニー・チャンネルが制作した映画『カンフー・プリンセス・ウェンディー・ウー』では、アジア系俳優や映画を増やそうとするハリウッドの流れより一足先に主演に抜擢され、活躍を見せていた。
そんな過去を明かしたブレンダは、それでも前を向きたいと話し、「私が誰であるかを変えることはできないし、過去を変えることもできない。私が出来ることは、良いオーディションを受けて、やれることをやるだけ。私が望むのはそれだけよ」と、俳優業に対する意気込みを見せた。(フロントロウ編集部)