※この記事には『アナと雪の女王2』のネタバレが含まれます。
あんなところに『リトル・マーメイド』の面影が!
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ長編作品としては58作目となる作品として公開された映画『アナの雪の女王2』。
2013年に公開された前作の『アナと雪の女王』の続編である同作は、初週末3日間の世界興行収入が、前作の倍にあたる3億5800万ドル(約390億円)を突破し、アニメ映画史上最高の記録を叩き出した。
そんな大ヒット中の『アナと雪の女王2』には、前作に引き続き、歴代の名作ディズニーアニメへのオマージュがところどころに散りばめられている。
その1つが、『アナと雪の女王』の下敷きとなった童話『雪の女王』の作者であるデンマーク人作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンが、その7年前に発表した童話『人魚姫』を原作とした作品『リトル・マーメイド』。
といっても、赤い髪でおなじみの主人公のアリエルの姿がはっきりと映るわけではない。
『アナと雪の女王2』の終盤で、すべての謎の答えを秘める北の大地「アートハラン」に辿り着き、“水の記憶”から過去のすべてを知ってしまうエルサ。
そこで、自分の父親で、のちにアレンデール国王となるアグナルが、じつは、魔法の森に住むノースルドラ族の出身だった母親のイドゥナに命を助けられたことを知るのだが、このときエルサが目にした「水の記憶」の中には、若き日のアグナルとイドゥナの種族の違いを超えた仲睦まじい交流シーンも含まれていた。
木陰で何やら真剣な表情で本を読んでいるアグナルに、茂みの中から突然姿を現したイドゥナが「何を読んでるの?」と無邪気に問いかける場面が登場するのだが、このとき、アグナルが読んでいるのが『リトル・マーメイド』の原作となった小説「人魚姫」というわけ。
本のタイトルは明らかにされないものの、表紙にはアリエルを彷彿とさせる人魚のシルエットが描かれており、イドゥナからの問いに、アグナルは「デンマークの作家の新しい本だよ」と答える(※)。
※英語版のセリフをもとに翻訳。
アグナルの言う「デンマークの作家」とはまさにアンデルセン氏のこと。
さらに、米Insiderは、この情報をもとに計算すると、当時10代前半とみられるアグナルが『人魚姫』が発表された1837年に同書を読んでいたとしたら、『アナと雪の女王』や『アナと雪の女王2』でエルサとアナの物語の舞台となった年代は、およそ1860年代~1870年代なのではないかと推察することもできるとしている。(フロントロウ編集部)