マーティン・スコセッシ監督のNetflixオリジナル映画『アイリッシュマン』に出演したロバート・デ・ニーロの驚きの衣装チェンジ回数が明らかになった。(フロントロウ編集部)

『アイリッシュマン』、衣装への強いこだわり

 2019年11月27日から配信開始したNetflixオリジナル映画の『アイリッシュマン』。映画『タクシードライバー』や『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のマーティン・スコセッシがメガホンを取り、映画『ゴッド・ファーザー』のロバート・デ・ニーロが主演を務めた本作は、今年のアカデミー賞候補としても話題になっている。

 第2次世界大戦後のアメリカ裏社会を生きたギャングたちの人生を描く本作の衣装を担当したのは、これまでに3度もアカデミー賞衣装デザイン賞を受賞しているサンディ・パウエル。

画像: 『アイリッシュマン』、衣装への強いこだわり

 サンディはこれまでに50以上の映画で衣装デザインを担当している超一流スタイリストで、『アイリッシュマン』はサンディとスコセッシの7度目のコラボレーション。

 『アイリッシュマン』で描かれる時代は1950年から2003年までの約50年間という非常に長い期間だったため、衣装デザインには3~4作品ほどの映画の衣装を作る時と同じぐらいの労力が必要だったとサンディは米Varietyに明かした。

 マーティンはサンディに、『アイリッシュマン』の衣装は全体的に控えめなトーンでデザインするようにお願いしたそう。なぜなら、『アイリッシュマン』に出てくるギャングたちは映画『グッドフェローズ』や『カジノ』のように誰もが想像するような派手な“ギャング”の姿とは違って、日常生活に溶け込んでいて、静かで威圧的ではない雰囲気をイメージしていたから。

 50年という長い期間を描いた『アイリッシュマン』では、400人以上の主要キャストと6500人のエキストラがいたため、衣装を用意する作業はとても大変だったそう。さらに、アル・パチーノとジョー・ペシとハーベイ・カイテルのスーツは、年齢や時代に合わせた洋服を研究し、ゼロから作り上げられている。

画像: 左から、ロバート・デ・ニーロ、マーティン・スコセッシ、アル・パチーノ

左から、ロバート・デ・ニーロ、マーティン・スコセッシ、アル・パチーノ

 特に主人公となるロバートは50年間のほとんどすべての時代に登場するため、衣装のチェンジはなんと102回。そのうちの3分の1がゼロから作り上げられたオリジナルの衣装となった。

 特にサンディがお気に入りの衣装は、ロバートの全身古着コーデ。ロバートがあるシーンで着用しているトレーニングウエアは、野球帽を除いてすべて古着屋で買ったと米Hollywood Reporterに明かした。フリースのスウェットパンツは、たった270円(2.50ドル)だったという。

 細部にまでこだわりぬいて制作された映画『アイリッシュマン』は、Netflixで配信中。(フロントロウ編集部)

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