※この記事には『アナと雪の女王2』のネタバレが少しだけ含まれます。ストーリーについてのネタバレはありません。
トナカイ17匹分の声を一手に引き受ける
全世界累計興収が9億2,244万4,155ドル(約1,014億円)を突破(※)し、10億ドルの大台に迫る大ヒットを記録しているディズニーアニメーション映画『アナと雪の女王2』。
※12月8日付。Box Office Mojo 調べ
世界中で再び“アナ雪旋風”を巻き起こしている同作は、2013年に公開された前作の『アナと雪の女王』よりも、あらゆる面においてパワーアップしているが、観客たちの笑いを誘うユーモアにもさらに磨きがかかっている。
なかでも、劇場を訪れたファンたちを最も“きょとん”とさせたシーンの1つが、唯一の男性メインキャラクターであるクリストフの歌唱シーン。
前作ではトナカイを連れた氷売りの山男として描かれたクリストフは、続編では、恋人同士となったアナ、その姉で不思議な力を持つ女王のエルサ、エルサが創り出した雪だるまのオラフ、そして相棒のトナカイ、スヴェンとともにアレンデール王国で暮らすことに。
ある“きっかけ”から冒険の旅に出ることとなったエルサ&アナ姉妹に同行するクリストフだが、彼には、この旅の間にどうしても実現させたいことがあった。
しかし、クリストフの“作戦”はことあるごとに失敗…。森の中にひとり置き去りにされてしまったクリストフは、傷心のバラード「Lost In the Woods(ロスト・イン・ザ・ウッズ/邦題:恋の迷い子)」を歌うのだが、80年代に流行したパワーバラードにインスパイアされたこのエモーショナルな歌唱シーンには、笑っていいのか、それともシリアスな場面なのか、ちょっと混乱してしまう観客が続出している。
「Lost in the woods」の音源
制作陣やキャストとしては、完全におふざけのつもりで盛り込んだ、まるでレトロなミュージックビデオのような映像には、ロックバンド、クイーン(Queen)のヒット曲「ボヘミアン・ラプソディ」のMVのワンシーンをオマージュした場面なども含まれていることで話題となっているが、もう1つ注目したいのが、コーラスとして参加しているスヴェンを含む計17匹のトナカイの声の主。
じつは、このトナカイたちの歌声を担当しているのは、前作に引き続き、英語版でクリストフの声を担当した俳優のジョナサン・グロフ。
20代前半で抜擢されたブロードウェイミュージカル『春のめざめ』での演技と歌声が高く評価されてブレイクし、人気ミュージカルドラマ『グリー』でも甘い歌声を披露していたジョナサンだが、前作の『アナと雪の女王』では、残念ながら歌唱シーンが少なく、「もっとジョナサン演じるクリストフの歌声が聴きたい!」というリクエストが殺到。
『アナと雪の女王2』では、満を持して、フルレングスのソロ曲である「Lost In the Woods」が誕生したのだが、ジョナサンは、クリストフの歌唱パート以外にもトナカイのコーラスとして合計18通り分の歌唱パートを担った。
なかなかタフだった「Lost In the Woods」の収録について、ジョナサンは、「全部で18パート歌ったよ。クリストフとクリストフのハーモニーにくわえて、スヴェンのバックコーラスとそのまたさらにスヴェンのバックコーラスによるハーモニーって感じだったね。前作ではそんなに歌ってなかったのに、一気に18もの歌唱パートを任されるなんて…もう、あの歌はとにかく内容が濃い!」と米EWに振り返っている。
『アナと雪の女王2』字幕版では、ジョナサンが1人18役をこなした「Lost In the Woods」が聴けるので、まずは日本語吹き替え版で観たという人は、字幕版もぜひチェックしてみて。
また、ジョナサンが声を演じたクリストフは全編を通しての描かれ方が、これからの時代が求める“真の男性像”だと絶賛。彼が恋人アナに対して放つ、既成概念を打ち砕くたった2秒ほどの“あるセリフ”にも注目が集まっている。(フロントロウ編集部)