※この記事には、映画『ジョーカー』のネタバレが含まれます。
『ジョーカー』、議論を呼んだエンディング
2019年10月に公開され、世界中で大ヒットした映画『ジョーカー』は、現代社会を反映するストーリーに、主演ホアキン・フェニックスの怪演が光り、アカデミー賞最有力候補と考えられている。
観客に衝撃を与える数々の展開があった『ジョーカー』だけれど、やっぱり忘れられないのは、そのエンディング。
ジョーカーであるアーサー・フレックが、精神病施設の中で何かを思いついた様子を見せるシーンは、まるで、ジョーカーのストーリーはアーサーの頭の中で作り出されたものだったのではないかと思わせる終わり方だった。
「この映画は、様々な見方が出来る作品ですから。彼はジョーカーではない可能性もある。これは、ジョーカーの起源についての、1つのバージョンに過ぎない」と、ディスク版『ジョーカー』に収録されるメイキング映像『Joker: Vision & Fury(原題)』のなかで話したトッド・フィリップス監督。
すると続けて、フィリップス監督はこのような言葉を続けた。
「これは、あの男性が、精神病施設のあの部屋の中で話しているバージョンに過ぎない」
ということは、『ジョーカー』はやはりアーサーの頭の中の話だった!? しかしフィリップス監督の口ぶりからは、その考えはいくつも考えられるバージョンの1つであることは認めているようだけれど、それを肯定するものではないよう。
「私には、彼があの世界で信用できる語り手かどうかは分からないですがね」と言うフィリップス監督は、10月の終わりに米Empireのインタビューで、ファンが物語をどう捉えるかは自由だと語っていた。(フロントロウ編集部)