エドワード・スノーデンを擁護するためにCNN系列のニュース番組に出演し、エドワード・シザーハンズの擁護を続けた男性のイタズラがあっぱれ。(フロントロウ編集部)

まさかのエドワード違い

 アメリカのCNN系列のケーブル局HLNのニュース番組『ザ・デイリー・シェア』で、お見事な『シザーハンズ』イタズラをしかけた伝説の男性をご存じだろうか?

 ジョン・ヘンドレンという男性は、アメリカ政府による国民の監視活動を告発して国を追われた元NSA職員のエドワード・スノーデンの支持者として、ニュース番組『ザ・デイリー・シェア』に出演。

画像: ロシアで逃亡生活を続けている元NSA職員のエドワード・スノーデン。

ロシアで逃亡生活を続けている元NSA職員のエドワード・スノーデン。

画像: エドワード・スノーデン支持者としてニュース番組に出演したジョン・ヘンドレン(右)。©HLN

エドワード・スノーデン支持者としてニュース番組に出演したジョン・ヘンドレン(右)。©HLN

 番組では、ロシアで逃亡生活をおくるエドワード・スノーデンがツイッターを使用していることが取り上げられたのだが、まずは、キャスターとジョンの会話を読んでほしい。

キャスター:エドワード・スノーデンを支持している、ジョン・ヘンドレンさんです。ジョン、ツイッターはISISのアカウントを凍結しました。なぜ(一部で国家反逆のテロリストとされる)スノーデンは許されるのでしょう?

ジョン:彼はヒーローだからですよ。あの状況のなか彼がとった行動は、お手本と言える。彼はあまりにも長いことひとりで隔離されてきた。まっとうな意見があるでしょうし、我々は彼の言葉に耳を傾けるべきです。

キャスター:しかし彼をヒーローだと思わない人もいます。

ジョン:彼は最大限、この国のために尽くそうとしていますよ。

キャスター:彼がリークした情報のなかには機密とされていたものもあり、リークによって危険にさらされた人がいます。そのリスクをとることが許されるべき行動だったと思いますか?

ジョン:彼の行動によって危険にさらされた人がいなかったわけではなく、確かに、人を傷つけていたかもしれません。しかし、両手がハサミだからといって社会的に抹殺するのは変すぎます。みなさん、彼が剪定して恐竜をつくったりするまで怖がることはなかったですよね。

 両手がハサミ?葉っぱや枝を切って恐竜を作った?

 ロシアに逃亡中の元NSA職員の話のはずが、どこかで見たことあるようなシーンが思い浮かぶジョンの言葉…。それもそのはず、ジョンがかばっている“ヒーロー”とは、エドワードはエドワードでも、エドワード・スノーデンではなく、エドワード・シザーハンズだから!

画像: © 20TH CENTURY FOX

© 20TH CENTURY FOX

 エドワード・シザーハンズはティム・バートンが1990年に監督した映画『シザーハンズ』でジョニー・デップが演じた心優しい人造人間。ヴィンセント・プライス演じる発明家によって作られた、両手がハサミのエドワードは孤独に生きていたのだけれど、ひょんなことから住宅街で暮らすことになり、ハサミを活かして剪定やヘアカットの仕事で人気を博す。しかしある事件がきっかけで、化け物として街を追われてしまう。

キャスターの予想外の反応でイタズラした本人もびっくりの展開に

 エドワード違いでシザーハンズを擁護したジョン。「両手がハサミ」というフレーズが出た時点で映像が切り替わりそうだけれど、なんと、キャスターがここでまさかの行動に。

 キャスターは用意した質問をすることに夢中になり、なんと、ジョンがシザーハンズの話をしていることに気づいていない!そのせいで会話は、ファンタジー映画のキャラクターとロシアへの亡命の話で入り乱れることに。

キャスター:人権違反をしていると言われているロシアに逃亡するスノーデンを偽善者だとする声もあります。

ジョン:彼を排除するのは間違っています。隔離されるべき動物のように扱うなんて。確かに彼は、ヴィンセント・プライスの手によって山のてっぺんで作られ、両手はハサミで心臓がないという不完全な状態です。しかし私にとって、エドワード・シザーハンズはヒーロー以外の何者でもありません。

キャスター:そうですが、ロシアのような国に暮らすという選択をしたことについてはどう思いますか?

ジョン:ほかに行くところがないからじゃないですか。ハサミでできた指でウォーターベッドに穴を開けたからって怖がって孤立させるなんて、ひどいじゃありませんか。

キャスター:そうですか。ジョン、今日はご意見ありがとうございました。

画像: ©HLN

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 こうして、最後までエドワード・シザーハンズを擁護しつづけたジョン。ちなみに、ニュース番組で大真面目な顔をして“シザーハンズ”を擁護したジョン・ヘンドレンはコメディアンで、放送中に画面に表示された彼のツイッターアカウント名は、おならを意味する「@fart」。

 質問をつづけたキャスターから、テロップを作った時点で気づかなかったスタッフまで、番組側のチェック体制の甘さが明るみに出るイタズラとなってしまった。(フロントロウ編集部)

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