和解するつもりなし
カナダを代表するラッパーのドレイクが、“犬猿の仲”にあるラッパーのプッシャ・Tとカニエ・ウェストについて今の心境を口にした。
【ドレイクVSプッシャ・T】
プッシャ・Tがカニエ・ウェストのプロデュースでリリースしたアルバム『Daytona(デイトーナ)』の収録曲「Infrared(インフラレッド)」で、ドレイクのゴーストライター疑惑を指摘。これにドレイクが応戦し、2人がディス曲をリリースし合い本格的なバトルが勃発。
これにより、ドレイクは隠し子の存在を認めざるを得ない状況に陥り、プッシャ・Tは自分の関係者の悪ノリでバトルに拍車をかけた結果、ドレイク側とみられる集団から襲撃にあった。
【ドレイクVSカニエ・ウェスト】
ドレイクとカニエの関係が悪化したのは、プッシャ・Tとのビーフが始まる前。カニエがドレイクを裏切り、曲を奪ったとして絶縁状態に。その後、プッシャ・Tとのバトルが始まり、ドレイクとカニエの確執はさらに深まった。
これを受けて、カニエがSNS上でドレイクに謝罪。しかしドレイクはそれを徹底的に無視したため、カニエが逆ギレして100件以上のツイートでドレイクを罵倒。しかし翌日には、カニエがドレイクと和解したと主張した。補足すると、この時のカニエは、自身が抱える躁うつ病でメンタルが不安定だった。カニエが逆ギレした時は、服用が必須とされる薬を飲んでいなかったことを自ら明かしている。
ドレイクは、自身のYouTubeに公開された2時間以上に及ぶインタビュー動画で、「いろんな人とビーフしていても人生楽しくない。(中略)僕は人として変わろうとしている。常に後ろを気にする人生は楽しくない」としつつも、自分の秘密をバラされたプッシャ・Tについては、「この件に関しては、あの人と和解したい気持ちはまったくない」と断言。
さらにドレイクは、プッシャ・Tとのビーフは、「行くところまで到達したから、戻ることはもうない」とし、「彼は当時のトップアーティストに隠し子がいたことを世界にバラした。この時点で、もう終わりだと悟った。もはやラップバトルではない。(彼が暴露した)情報は衝撃的すぎた。彼にとっては賢い動きだったが、僕への敬意がないから、他の楽曲で両親に関するデマを流し、闘病中の友人の死を望むようなことを歌った。ラップバトルにルールがあるわけではないが、彼は超えてはいけない一線を越えた」と話した。
そしてドレイクは、カニエとの関係についても言及。
「彼が何を言ったっていい。“君への感情は愛だ”とか言われたって、そんなの愛じゃない。彼には深いところで僕に気に食わないところがあるんだと思う。僕はそれを治してやれない」
「ラッパーとして、考え方や経験を積ませてくれたカニエ・ウェストは、僕の好きなアーティストだと言える。それは問題なく宣言できる。(中略)でも、いろいろなことが変わって、僕はもうファンの子供じゃない。個人的な問題も抱えている。何度も言うけど、彼が抱える問題を僕が解決することはできない」
そう話したドレイクだが、和解に向けてカニエと会話できるかという質問には、「いや、できないと思う。僕は彼らに対して何の問題もないから」と、自ら歩み寄る態度は一切見せなかった。(フロントロウ編集部)