スパイダーマンのヴィランを映画化した『モービウス』
ソニー・ピクチャーズによるマーベルの実写映画『モービウス(原題)』の予告編がついに解禁。2020年夏の公開に向けて本格的に動き出した。
映画『モービウス』は、稀に見る血液障害による難病を抱えたミカエル・モービウスという科学者が主人公。同じ病に苦しむ他者のために治療薬の開発に努めるモービウスは、コウモリを使った危険な治療法を自分の体で実験した結果、人々を脅かす吸血鬼へと覚醒していく。
原作では、『スパイダーマン』シリーズのヴィランとして描かれたキャラクターであるモービウスは、ヴィランながら時に正義の味方として描かれることもあるアンチヒーロー。そんなキャラクターの待望の映画化は、制作当初から大きな話題になっていた。
予告編では、そんなモービウスの覚醒までの過程が語られる。
“元ジョーカー”がマーベル映画に主演
映画『モービウス』で主人公モービウスを演じるのは、DCコミックスが原作の映画『スーサイド・スクワッド』でジョーカーを演じた、オスカー俳優のジャレッド・レト。
マーベルのライバルにあたるDC映画でもとくに人気が高いジョーカーといえば、ジャレッドのほか、過去にヒース・レジャーなど様々な実力派俳優が演じており、2019年は、ホアキン・フェニックスが演じた映画『ジョーカー』が、R指定映画ながら異例の大ヒットを記録し、2020年のアカデミー賞に最多ノミネートされたほど。
そんな“元ジョーカー”のジャレッドが演じるマーベルキャラクターのモービウスは、マーベルのコミックの世界では『スパイダーマン』に登場するメインキャラクターとして描かれるが、実写版でスパイダーマンが登場する可能性はかぎりなく低い。
驚きのキャスティングで広がる可能性
ファンの方はご存知の通り、現在、原作『スパイダーマン』を基にした映画は、ソニー・ピクチャーズによって制作されたものと、マーベル・スタジオによって制作されたものの2種類がある。マーベル・スタジオがすでにスパイダーマンを映像化しているため、原則、ソニー・ピクチャーズは実写版映画でスパイダーマンを登場させられない状況にある。
また映画『モービウス』は、ソニー・ピクチャーズによる実写版映画のため、マーベル・スタジオが制作する『アベンジャーズ』シリーズなどでお馴染みのMCUと世界観を共有する映画『スパイダーマン:ホームカミング』や『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』とは、無関係のストーリーになると考えられていた。
しかし、映画『モービウス』予告編の最後でアッと驚くサプライズが。予告編終盤にモービウスの前に現れたのは、トム・ホランドがスパイダーマンを演じるMCU映画『スパイダーマン:ホームカミング』で、ヴィランのヴァルチャーを演じたマイケル・キートン。
MCUのキャラクターを演じたマイケルが『スパイダーマン:ホームカミング』のエンドクレジットのシーンとほぼ同じ服装で登場したことによって、ソニー・ピクチャーズが制作する本作や『ヴェノム』といった“スパイダーマン映画”が、MCUの『スパイダーマン』シリーズとリンクする可能性が浮上している。
また一部のファンの間では、映画『モービウス』の時代設定が、映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の後、つまり、スパイダーマンの正体がジェイク・ジレンホール演じるミステリオによって暴かれた後の世界であるという説もある。
予測不能な展開になりそうな映画『モービウス』は、2020年夏に全米公開予定。(フロントロウ編集部)