ロバート・デ・ニーロを『ジョーカー』に誘った後輩
2019年に公開され、2020年アカデミー賞で最多11部門にノミネートされた映画『ジョーカー』。
トッド・フィリップス監督は作品を通して現代社会へのメッセージを発信したけれど、一方で監督の敬愛する名作映画へのオマージュも多く表現されていたことも、映画ファンの間で話題となった。
とくに、映画『タクシードライバー』と『キング・オブ・コメディ』へのオマージュは有名。その2作品で主演を務めたロバート・デ・ニーロは、主人公アーサーのあこがれの人であるマレー・フランクリンを演じた。
そんなロバートは監督に会った際に、「『これは興味深いプロジェクトになるかもしれないな』と思った」と米Peopleに語る。しかし、『ジョーカー』出演の決定打となったのは、監督からのラブコールよりも、あの人からの後押しだったそう。
「ブラッドリーは、プロデューサーのうちの1人でね。彼が私にやるよう言ったのさ」
先輩後輩として親しいロバートとブラッドリー
俳優としてもプロデューサーとしても活躍するブラッドリー・クーパーは、ロバートと2011年公開の映画『リミットレス』で初共演。ロバートはブラッドリーのあこがれの俳優だったこともあり、2人は仲を深めたという。
その後2人は、2013年のアカデミー賞8部門にノミネートされた映画『世界にひとつのプレイブック』でふたたび共演。じつはこの作品へのブラッドリーの出演は、ロバートの後押しがあったという。2人はその後も、『アメリカン・ハッスル』と『ジョイ』で共演している。
憧れの俳優であり、長年お世話になっている先輩でもあるロバートへのオマージュを存分に含んだ映画作品のプロデューサーを務めることとなったブラッドリー。となれば、今度は自分がロバートに出演を掛け合うのは自然の流れだったよう。
そんな後輩からの勧めでロバートが出演した『ジョーカー』は、2020年度アカデミー賞最有力作品に。また、ロバートが主演を務めた映画『アイリッシュマン』も作品賞にノミネートされており、今年のアカデミー賞はロバートにとって目が離せないものとなりそう。(フロントロウ編集部)