伝説の3部作『ビフォア』シリーズ
映画『ビフォア』シリーズは、1995年の『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』、2004年の『ビフォア・サンセット』、2013年の『ビフォア・ミッドナイト』の3部作からなるラブストーリー。
9年おきに公開された本作は、映画の中の時間の進み方が現実の時間の進み方と同じになっている。
2作目は1作目の9年後、3作目は2作目の9年後に公開されたばかりでなく、実際の時間経過とともに主人公たちの時間も進んでいるため、1本目から3本目まで見ると、一組の男女の18年間を追うことになる。
主人公は『ガタカ』や『マグニフィセント・セブン』のイーサン・ホークと『パリ、恋人たちの2日間』や『血の伯爵夫人』のジュリー・デルピー、監督は『6才のボクが、大人になるまで。』や『30年後の同窓会』のリチャード・リンクレイター。
『ビフォア』シリーズのストーリーは?
『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』では電車で出会った後、翌朝の別れまでウィーンの街を歩きながら語り合う様子、『ビフォア・サンセット』では9年後にパリで再会するも互いの生活がすでにあるため、男がパリを発つまでの短い時間にお互いの胸の内を探り合う様子を、『ビフォア・ミッドナイト』では9年後にギリシャの浜辺で双子の親となった二人の様子をロマンチックに描いている。
人生の中で出会いや別れに直面し、生活しながらもささやかな幸せの中に愛を感じるような壮大なストーリーは、初演から25年たった今も多くの観客を魅了してやまない。
イーサン・ホーク続編の可能性を言及
そんななか今回、米New York Timesは『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』の25周年を記念して、主役を務めたイーサン・ホークと監督のリチャード・リンクレイターにインタビューを行った。
そのなかでイーサンは「『ビフォア・ミッドナイト』が終わったとき、これまでに経験したことがないような気持になったよ。この3部作は本当に特殊な作品だったから。だからといって、エピローグみたいなものがないというわけではないんじゃないかな。『アフター』シリーズや、人生の“後半”について扱う何かについて興味があるよ」と、“続編”の可能性を示唆。
それに対しリチャードは「80代ぐらいになるまで待って、『愛、アムール』(※)のコミックリメイクをしてみよう。べつに、それを否定してるわけではなくてね」と、イーサンの考えをはぐらかした。
(※)『愛、アムール』はミヒャエル・ハネケのヒューマンドラマ。長年連れ添った老夫婦の晩年の様子を描いている。
『ビフォア』シリーズの続編がもしできるとなると、これまでの9年方式でいくならば、2013年の9年後となる2022年に公開されるはず。まだウワサの段階でしかないけれど、期待するファンも多い。(フロントロウ編集部)