映画『キャッツ』を観た海外の観客たちが「最もクレイジーなシーン」と評したあるシーンを発案したのは、監督や制作スタッフではなく、なんとテイラー・スウィフトの父親だった。(フロントロウ編集部)

※この記事には映画『キャッツ』のネタバレが少しだけ含まれます。ストーリーに関するネタバレはありません。

テイラーの父が発案者

 オリジナル作品から受け継がれた美しい音楽やバレエやヒップホップ、タップダンスといった様々な種類の舞踊のプロたちが、これでもかと才能を発揮するダンス、そして最先端のVFX技術を駆使して猫たちのリアルな姿を表現したことで話題のミュージカル映画『キャッツ』

 大物俳優のジュディ・デンチやイアン・マッケラン、実力派シンガーのジェニファー・ハドソンやジェイソン・デルーロ、そしてコミカルな演技に定評がある俳優のジェームズ・コーデンやレベル・ウィルソンといった多彩なキャストたちが、個性豊かな猫たちになりきり、味のある演技を見せていることでも話題の同作だが、なかでも最も注目を集めたのが、本作がミュージカル映画初出演となるシンガーのテイラー・スウィフトの登場シーン。

画像1: © 2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

© 2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

 赤毛の妖艶なメス猫、ボンバルリーナを演じたテイラーは、本家ミュージカル版でも人気のナンバー「Macavity:The Mystery Cat(マキャヴィティ~犯罪王)」を歌唱し、普段とはひと味違う、セクシーな歌声を響かせるのだが、これに先立つ、初登場の場面での演出に、なんとテイラーの実の父が何気なく口にしたアイディアが採用されていた。

 この場面では、テイラー演じるボンバルリーナが振りまく、猫たちにとっては媚薬のような効果を持つ“マタタビ”の粉のチカラにより、周囲にいる猫たちがみんなハイになった状態で陶酔。

 異様な光景とも表現できるこのシーンは、海外の観客たちの間で、全編の中で「最もクレイジーなシーン」と評判になった。

画像2: © 2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

© 2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

 このシーンが誕生したいきさつについて、テイラーは米Varietyにこんな風に明かしている。

 『キャッツ』の制作が始まり、テイラーがトム・フーパー監督と制作チームとミーティングを行なっていたところ、そこに同席していた、自分自身では演技経験などまったくないテイラーの父スコットが、突然、「なあ、私にアイディアがあるんだが」と意気揚々と発言。

 スコットは、間髪入れず、「すべての猫たちがジェリクル・ボール(※)に集合して、そこでマタタビでハイになり、クレイジーになってしまうというのはどうだい?」と提案したのだが、スルーされてしまうかと思いきや、なんとフーパー監督はスコットのアイディアに超ノリ気で、そのままテイラーのシーンに採用されてしまったのだそう。

※真のジェリクル・キャットを選ぶ舞踏会。「ジェリクル」はミュージカルキャッツの原作となった詩集『キャッツ- ポッサムおじさんの猫とつき合う法』に登場する「ジュエリー」と「ミラクル」を掛け合わせた造語。

画像: テイラーと父スコット。

テイラーと父スコット。

 昔から、思ったことは何でもすぐ口にしてしまう性格の父スコットに、ちょっと恥ずかしい思いをさせられてしまったこともあるというテイラーは、「私のパパは世界で一番社交的でフレンドリーな人なの。いつもアイディアに溢れてて、子供の時は保護者同伴のミーティングの最中にいつもみんなに向かって熱弁しはじめちゃって、『パパ、パパ、やめて!』って感じだった」と、相手が映画界の巨匠フーパー監督であろうと誰であろうと、物怖じせずに意見を言ってしまうスコットについて、呆れたような、でも、それと同時に彼を誇りに思っているような口ぶりで語っていた。

 言ってみれば、まったくの“素人”であるテイラーの父スコットという、意外な人物が発案者となったテイラーの『キャッツ』出演シーン。気になる人はぜひ劇場で! (フロントロウ編集部)

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