紆余曲折の『ドクター・ストレンジ』続編
MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画で、2019年に公開され歴代映画最高の興行収入を記録した『アベンジャーズ/エンドゲーム』にも出演したドクター・ストレンジ(演:ベネディクト・カンバーバッチ)の単独映画『ドクター・ストレンジ』の続編が、2021年5月7日の全米公開を目指して絶賛制作中。
『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(DOCTORSTRANGE IN THE MULTIVERSE OF MADNESS)』というタイトルになるシリーズ続編は、MCU初の“ホラー映画”になることや、物語に「マルチバース」という概念が本格的に持ち込まれることでも注目を集めている。
―マルチバースとは?
マーベルにおけるマルチバースとは、直訳すると多元宇宙で、次元の違う世界が描かれるパラレルワールドという意味合いになる。例えば、『アントマン』で描かれた“量子世界”は別次元と考えることができる。また、マルチバースが存在するということになれば、この世に1人しかいないヒーローが別の次元でも存在することができるため、同じキャラクターを1人以上登場させることも可能になってくる。
今後のMCUにも大きな影響をもたらすかもしれない『ドクター・ストレンジ』の続編だが、2020年1月に前作からメガホンを取ってきたスコット・デリクソンが、突然、監督を辞任することを発表。
デリクソン監督はエグゼクティブ・プロデューサーとして引き続き作品に携わることになるが、現段階で“監督がいない”状況になっている。
元祖スパイダーマン監督に熱視線
そんななか、先日、人気監督のサム・ライミが『ドクター・ストレンジ』の続編の監督に就任する可能性があると海外の映画メディアが一斉に報道。ライミ監督といえば、トビー・マグワイアがピーター・パーカー(スパイダーマン)を演じた、“元祖スパイダーマン映画”の『スパイダーマン』3部作を手掛けた人物として有名。
マーベル映画の監督歴もあるライミ監督は、ハリウッド版『呪怨』の製作を手掛けるなどホラー映画を得意としていることから、現在マーベル・スタジオと交渉中だという彼の起用は、“MCU初のホラー映画”だと強調していた同作にぴったりな選出と言える。
これに対して、監督業を辞退したデリクソン監督も好意的で、「サム・ライミと一緒に働いたことがある。映画業界で出会った最も親切な人のひとりだった。そして監督としても、彼は生きる伝説だ。ドクター・ストレンジを引き継ぐには素晴らしい人選だ」とツイートして、ライミ監督の就任を後押しした。
I’ve worked with Sam Raimi. One of the nicest people I’ve known in the film business, and as a director, a true living legend. What a great choice to take over Doctor Strange.
— N O S ⋊ Ɔ I ᴚ ᴚ Ǝ ᗡ ⊥ ⊥ O Ɔ S (@scottderrickson) February 6, 2020
(フロントロウ編集部)