オスカーで「多様性の低さ」がネタに
2020年で92回目を迎えるアカデミー賞授賞式がついに開幕。今年は昨年に引き続き、司会者は置かずプレゼンターたちが進行役となったけれど、冒頭でステージに立ったコメディアンのスティーヴ・マーティンとクリス・ロックから、さっそくアカデミー賞を運営する映画芸術科学アカデミーに手痛いジャブが飛んだ。
助演男優賞のプレゼンターを務めたレジーナ・キングを紹介するためにステージに立ったスティーヴとクリスは、こうジョークを飛ばした。
スティーヴ:「この92年間でオスカーがどれだけ変わったか考えてごらん」
クリス:「ああ、ずいぶんと変わったよね」
スティーヴ:「そう、1929年には演技賞での黒人のノミネートは1人もいなかったんだから」
クリス:「そして2020年になった今、1人ノミネートした」
92年間での変化がたった1枠とく変化の少なさを、皮肉を込めてジョークへと変えたスティーヴとクリス。会場からはそんな2人のブラックジョークに笑いと拍手があがった。
2020年の演技賞は20枠中18枠が白人
2020年度のアカデミー賞では、20ある演技賞のノミネーションのうち18を白人が占めている。演技賞にノミネートされた有色人種は、主演女優賞にノミネートされた映画『ハリエット』のシンシア・エリボと、主演男優賞にノミネートされた映画『ペイン・アンド・グローリー』のアントニオ・バンデラスの2人だけ。
アカデミー賞と言えば、2016年に2年連続で20の演技賞のノミネートをすべて白人が占めたときにツイッターで「OscarSoWhite(オスカーは真っ白)」というハッシュタグがトレンド入りしたけれど、今回のノミネーションが発表されたときも、再びこのハッシュタグがツイッターでトレンド入りした。
本年度は映画『ルディ・レイ・ムーア』のエディ・マーフィをはじめ、ノミネートが予想されながらもスルーされた有色人種の俳優が多くいる。(フロントロウ編集部)