『1917 命をかけた伝令』とは?
『1917 命をかけた伝令』とは、第一次世界大戦中の若きイギリス兵の1日を描いた戦争映画。2020年のゴールデン・グローブ賞で作品賞と監督賞を、アカデミー賞で撮影賞を含む3部門でトロフィーを勝ち取った。
伝令を任された2人の兵士は、1600人の仲間を救う「作戦中止」を伝えるために危険な敵陣を駆け抜ける。
本作は、「ワンカット」という撮影方法が用いられていることでも大きな話題を呼んでいる。
「ワンカット」とは、一定のあいだ途切れなく映像を撮り続ける撮影方法。通常映画は、場面と場面を繋ぎ合わせたり、シーンを削ったりといった編集で作られているけれど、「ワンカット」にすることでリアルタイム感が出やすいため、映画の中の見せ場で使われることも多い。
そんな方法で撮影された本作は、戦場の張りつめた緊張感を登場人物と同じように感じることができるところが大きな魅力。
キャストが豪華!
本作には、将来有望な若手俳優から鉄板の大御所俳優まで、多くのキャストが参加している。そんな『1917 命をかけた伝令』よりジョージ・マッケイやコリン・ファースなど、メインで活躍している俳優をご紹介。

伝令を伝えるイギリス兵ウィリアム役:ジョージ・マッケイ

伝令を任された若きイギリス兵のウィリアムを演じたのはジョージ・マッケイ。10歳のときに映画『ピーター・パン』でデビュー。その後、映画『始まりへの旅』や『パレードへようこそ』などでキャリアを積み、現在は27歳。
家系図調査の米ancestry.comによるとジョージの祖先は第一次世界大戦で信号機と電話の技師として従軍していたそう。監督のサム・メンデスは、ジョージの家族の話を聞いたときに、映画の中でのジョージの役割とジョージの祖先の役割は、「重要なことを仲間に伝える」という意味でとても似ていると感じ、驚いたことを米The Warpに語っている。

©DREAMWORKS / Album/Newscom
ちなみにジョージは今後、リリー=ローズ・デップと映画『ウルフ』で共演する予定。

ジョージは最近の若手俳優には珍しく、TwitterやInstagramをはじめSNSアカウントはもっていない。英Lorraineのインタビューでそのことについて「嫌いなのではなくて、興味がない」とバッサリ。SNSで自分自身のことを検索する、通称・エゴサをすることすることについても全く興味がないそう。
伝令を伝える若きイギリス兵トム・ブレイク役:ディーン=チャールズ・チャップマン

ブレイク必至との呼び声も高いディーン=チャールズ・チャップマンは、ジョージと行動を共にする若きイギリス兵のトム・ブレイク役。

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現在22歳のディーンは10歳の頃からイギリスの子供番組『Fun Song Factory』で活躍し、2014年に『リピーテッド』で映画デビュー。また、同年には人気ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』でトメン・バラシオン役を務めるなど、華々しい活躍を収めている。

ディーンによると、『1917命をかけた伝令』を撮影するために行われたリハーサル期間はなんと6カ月。ディーンは米Esquireに「これほど長い期間、詳細にリハーサルしたことはなかった」と明かした。
ディーンは現在『ゲーム・オブ・スローンズ』で共演したネル・タイガー・フリーと交際中。
レスリー中尉:アンドリュー・スコット

アンドリュー・スコットはドラマ『SHERLOCK/シャーロック』や『Fleabag フリーバッグ』、映画『パレードへようこそ』などに出演している人気俳優。映画やドラマだけではなく、舞台に声優など、さまざまな場所で活躍している。また、アンドリューは芸術活動支援のチャリティー団体IdeaTapを設立し、俳優を目指す若者たちに指導を行っているそう。映画やドラマだけではなく、舞台に声優など、さまざまな場所で活躍している。また、アンドリューは芸術活動支援のチャリティー団体IdeaTapを設立し、俳優を目指す若者たちに指導を行っているそう。
2020年のゴールデン・グローブ賞ではドラマ『Fleabag フリーバッグ』の神父役で助演男優賞にノミネート。受賞こそ逃したものの、大きな賞にノミネートされて嬉しそうな様子を見せた。

また2013年にはロシアのウラジーミル・プーチン大統領が発表した反同性愛法に対し、自身がゲイだとカミングアウトしている。

アンドリュー・スコット(左)とサム・メンデス監督(右)
米Digital Spyによると、『1917 命をかけた伝令』の脚本の中で唯一アンドリューの役柄だけが、「あらかじめアンドリューが演じることを前提として」書かれていたそう。本編でアンドリューが登場するのはわずか5分程度ではあるけれど、そのぴったりとハマった演技の心地よさは、必見。
スミス大尉:マーク・ストロング

マーク・ストロングは映画『キングスマン』シリーズや『裏切りのサーカス』、『シャザム!』など幅広いジャンルの映画で活躍する俳優。どちらかと言うと、カリスマ的な悪役のイメージが強い。

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本作でマークは、伝令が道中で出会うスミス大尉を演じており、厳しくも優しさのある役どころが光る。

『1917 命をかけた伝令』撮影中にキャッチされたマーク・ストロング
現在56歳のマークは2020年12月24日公開のディズニー実写映画『クルエラ』への出演が決定しており、今後の活躍にも注目。
エリンモア将軍:コリン・ファース

映画『ラブ・アクチュアリー』や『ブリジット・ジョーンズの日記』などで知られるコリン・ファース。『1917 命をかけた伝令』では、若き兵士2名に任務を伝えるエリンモア将軍役を務めている。

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エリンモア将軍は、コリンの普段の物腰の柔らかさを全く感じさせないおごそかな役柄。コリンは英The Guardianに「自分の運命に何の発言権もない若い男性の無力さと恐怖に共感できた」と語っている。

そんなコリンは2020年に映画『The Secret Garden』への出演が決定している。
マッケンジー大佐:ベネディクト・カンバーバッチ

『1917 命をかけた伝令』には、ドラマ『SHERLOCK/シャーロック』や映画『アベンジャーズ』シリーズのドクター・ストレンジ役で有名なベネディクト・カンバーバッチも出演している。

ワンカットが取り入れられた撮影現場では、誰かがセリフを間違えるなどミスが起こると最初に戻ってすべてやり直していたため、撮影スケジュールがズレることが多く、そのためベネディクトは撮影に参加した6ヵ月間のうちのほとんどを“控室で待つ”という行為に費やしたと、メンデス監督から聞いたというライアン・ジョンソン監督がツイッターで明かした。

ちなみにベネディクトは今後も2021年に『ドクター・ストレンジ』シリーズの最新作を含む様々な作品に出演が決定している。
『1917 命をかけた伝令』には、他にもリチャード・マッデンやダニエル・メイズ、ジェイミー・パーカーなど様々な俳優が登場する。大好評の本作は、現在劇場にて公開中。俳優たちの素晴らしい演技を是非楽しんで。(フロントロウ編集部)