会場を沸かせたオスカー受賞スピーチ
激戦となった第92回アカデミー賞。マーティン・スコセッシ監督の『アイリッシュマン』、クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』など名監督の作品が数多くノミネートされている中、韓国のポン・ジュノ監督作品『パラサイト 半地下の家族』がオスカー史上初めて外国語映画として作品賞を受賞し、監督賞や脚本賞を含む4冠を達成。歴史的な快挙を成し遂げた。
その日数回の受賞スピーチをしたポン・ジュノ監督は、監督賞受賞の際にプレゼンターのスパイク・リー監督からオスカー像を手渡され、はにかむように笑いながら「さっき国際長編映画賞を受賞したとき、今日の仕事は終わったなと思ってリラックスしていました」とスピーチを始めた。
感謝の気持ちを述べたポン・ジュノ監督は「私が映画の勉強をしていた時、本で読んだ言葉で今も大切にしているものがあります。『最も個人的なことは、最もクリエイティブなことだ』という言葉です。これは…マーティン・スコセッシの言葉です」とコメント。
すると会場は大いに盛り上がり、スタンディングオベーションが。言葉を受けたスコセッシ監督は恥ずかしそうに立ち上がりながら、涙ぐんだような表情を浮かべ、ポン・ジュノ監督に拍手。
さらに、ポン・ジュノ監督は一緒にノミネートされていた監督を称え、「許されるなら、このオスカーを5つに分けたい」と感動的な言葉を発した後、「明日の朝まで飲み続ける準備はできていますよ!」というおちゃめなコメントで締めくくった。
スコセッシ監督は個人的に手紙を書いた
ポン・ジュノ監督はオスカー受賞後にマーティン・スコセッシから手紙を受けとったことを告白。
2月20日に韓国で開かれた記者会見で、「今朝、手紙を受け取りました」と言ったポン・ジュノ監督は内容について尋ねられ、「手紙は個人的なものだから、何が書いていたかは言えないですよ」と言いつつも、「スコセッシ監督は、最後に『よくやった。今は休んで。でも、休みすぎは禁物だ』と書いてくれました。そして、彼も他の監督も、どれほど自分の次回作に期待しているか、と続いていました」と語ったという。
オスカー4冠を達成した映画『パラサイト 半地下の家族』は日本全国で放映中。(フロントロウ編集部)