ヴィーガンであるホアキン・フェニックス
映画『ジョーカー』のホアキン・フェニックスは、両親や姉妹ともに一家全員が厳しいヴィーガンで、婚約者で俳優のルーニー・マーラも同じ信条を持ち、これまで多くの動物の権利に関する活動に参加している。
主演男優賞を受賞した第92回アカデミー賞の受賞スピーチでは、「私たちは自然界に侵入し、資源を略奪します。私たちは牛を人工的に受精させたうえで、彼女の赤ちゃんを奪う資格があると思っています。彼女の苦悩の鳴き声が明らかであるにもかかわらず。そして、彼女の子供のために用意されたミルクも奪い、コーヒーやシリアルに入れるのです」と、畜産業は人間のエゴで行なわれる動物のコントロールだとして批判したホアキン。
そんなホアキンは、現地時間2月10日に開催されたアカデミー賞授賞式の翌日に、米カリフォルニア州ピコ・リベラにある食肉処理場を訪れていた。
ホアキン・フェニックス、牛の親子を保護する
この食肉処理場は、世界でも数少ない、母親の牛とその子牛を引き離さないポリシーを持っていると、CEOのアンソニー・ディ・マリア氏はホアキンに語る。
動物の権利を守るために行動するヴィーガンであるホアキンにとって、食肉処理場はいわば天敵。1月中旬に開催されたSAGアワード(全米映画俳優組合賞)の授賞式直後にも、別の食肉処理場の前で行なわれていたデモに参加していたホアキンだけれど、マリア氏との対話は実りあるものだったよう。
ホアキンとマリア氏は最終的に、この食肉処理場で生まれたばかりの子牛とその母親を、食肉処理場から助け出してきた動物たちを保護する牧場Farm Sanctuaryへ連れて行くことで合意。ホアキンは、この日の出来事についてこう話す。
「食肉処理場で友情が生まれるとは思いもしなかったけど、アンソニーに会い、自分の心を彼に開いたことで、(自分たちには)違いよりも共通点のほうが多いのではないかと気がつきました。彼の配慮のある行動がなければ、リバティーと、彼女の赤ちゃんインディゴは、最悪な最期を迎えていたでしょう。私たちは、抑圧的なシステムの中で苦しむすべての動物を解放するために闘い続けますが、一旦はこの勝利を、そしてそれを達成するために手助けしてくれた人々を認めて祝わなくてはいけませんね」
この日のホアキンの活動は、以下の動画より見ることができる。
(フロントロウ編集部)