大人気『チャーリーズ・エンジェル』
『チャーリーズ・エンジェル』は、1973年にアメリカのABCネットワークで放送された同名テレビシリーズがもとになっている、コメディアクション作品。日本では『チャリエン』の愛称で親しまれている。
『チャーリーズ・エンジェル』は国際機密企業チャーリー・タウンゼント社のエージェントとして働く3人組、通称“チャーリーズ・エンジェル”たちの活躍を描いている。
2000年にはキャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リューという人気女優が集結し映画化。世界中に『チャリエン』旋風を巻き起こす大ヒットに。
そして、最新作でエンジェルに選ばれたのは、『アラジン』のジャスミン役を務めたナオミ・スコット、『トワイライト』シリーズのクリステン・スチュワート、そしてイギリス出身の新鋭女優エラ・バリンスカ。
そんな本作の監督を務めるエリザベス・バンクスはエンジェルの1人、クリステン・スチュワート演じる自由奔放な性格の変装のプロ、サビーナを「間違いなくゲイ」だと明かした。
チャリエン初、クィアのエンジェル
サビーナ役を演じるクリステンは、主演映画『トワイライト』の共演者ロバート・パティンソンと破局したあと、2013年からは女性との交際をオープンに。シンガーのセイント・ヴィンセントやヴィクトリアズ・シークレットのモデルであるステラ・マックスウェルといったセレブから一般人まで、多くの女性とのロマンスを楽んできた、ハリウッド有数のモテ女としても知られている。
そんなクリステンが演じたサビーナについて、監督のエリザベス・バンクスは、「私にとって重要だったのは、キャラクターに“ラベル”をつけないことだった。メディアがラベリングしたいのであればそれでいいけど、私はそうしなかった。映画の中で(クリステンには)自分自身でいてほしいと思っていたの」と米Digital Spyに明かした。
そのため脚本では登場人物のセクシャリティについて一切触れなかったというエリザベス。「曖昧さは一種の近代化だと思う。流動性は今とてもモダンで、映画ではクリステンのキャラクターは間違いなくゲイ。(クリステンは)映画でゲイの役を演じたがっていたから、私は『うん』って感じだった。彼女が何に惹かれているのかを理解してもらえるように、私はその小さな瞬間を確実に守ったの。彼女は(セクシャリティを)オープンに生きることを愛している。私はそんな彼女が100%支持できるキャラクターを演じられるようにしてあげたかったの」と、米Pride Sourceに語った。
そして、「クリステンはサビーナを”クィア”(※)だと呼んでると思う」と付け加えた。
※時代や使う人によって定義が異なる場合があるが、現代において一般的には、”生まれた性と心の性が一致するシスジェンダーであり異性愛者である人”以外のことを指す。
分類に囚われない生き方をするクリステン
一方でサビーナ役を演じるクリステンは、セクシャリティの分類そのものが窮屈であり差別につながるという考えから“性的指向を決めない”というアクションを起こしている若い世代からインスピレーションを受けていると、米Harpers Bazaarに語った。
「私たちは皆、信じられないほど曖昧になりつつあるよね。そしてこれって本当に素晴らしいことだよね」と、クリステンは語った。
クリステンは以前、自分のアイデンティティや性的指向、セクシャリティを定義したくないと語っていたが、その発言には、若い世代でのムーブメントに心動かされたという背景もあるよう。
クリステンがありのままの自分に近い形でサビーナ役を演じた映画『チャーリーズ・エンジェル』は、2020年2月21日から日本全国公開中。(フロントロウ編集部)