『トイ・ストーリー』あの子の家には…
世界初のフルCGアニメーション映画『トイ・ストーリー』といえば、少年アンディのおもちゃウッディやバズ・ライトイヤーなどが、冒険を繰り広げるファミリー映画。1995年の映画作品において興行成績トップを記録し、監督を務めたジョン・ラセターは、アニメーション史に残るその業績から、アカデミー特別業績賞を受賞した。そんな家族向け映画の鉄板と言える『トイ・ストーリー』だけれど、じつは、映画史に残る“ホラー映画”へのオマージュが!
その映画とは、かのスタンリー・キューブリック監督が1980年に発表した映画『シャイニング』。
主演ジャック・ニコルソンが、破壊したドアの間から狂気の笑顔を浮かべて、顔をのぞかせるシーンは、これまでも多くのパロディに使われてきた。また2019年には、ユアン・マクレガーを主演におき、『ドクター・スリープ』というタイトルで『シャイニング』の続編が公開された。
モダン・ホラー映画の金字塔『シャイニング』へのオマージュが、明るく楽しいファミリー映画『トイ・ストーリー』にあるだなんて驚く人も多いかもしれないけれど、それが、アンディの家の隣人で、悪役のシドの家で出てきたとしたら納得?
「柄」にご注目
『トイ・ストーリー』で、ウッディとバズがシドの家の中を移動するシーン。
このシーンを見た後に、『シャイニング』のダニーが、オーバールック・ホテルの中を三輪車で進む場面を見ると…?
そう、じつはカーペットの柄が同じ!『シャイニング』グッズでたびたび取り入れられるほどアイコニックなあのカーペットの柄を、『トイ・ストーリー』の制作陣は、色彩を調整してデザインに取り入れたよう。
『シャイニング』へのオマージュが含まれているのは『トイ・ストーリー』だけでなく、2010年に公開された『トイ・ストーリー3』でも、オーバールック・ホテルで重要な部屋の番号237や、同じ小道具などが登場している。また2003年公開のピクサー映画『ファインディング・ニモ』や、2017年公開の『リメンバー・ミー』でも、『シャイニング』の要素を取り入れたシーンが確認されている。数多くのファミリー映画を世に送り出してきたピクサー・アニメーション・スタジオだけれど、意外にも、ホラー映画愛で溢れていた。(フロントロウ編集部)