待望のマスカラのはずが…?
フランス語で“極めて暗い”という意味を持つグッチビューティー初のマスカラ「Mascara L'Obscur(マスカラ ロブスキュー)」がネット上で話題となったきっかけが、インスタグラム上にアップされた、こちらのキャンペーン画像。
マスカラを何度も塗り重ねたことで、固まってダマができてしまっているモデルのまつげ。その重くベタベタした印象を見たファンは、ピンクとゴールドの可愛いパッケージに目を惹かれつつも、このマスカラをどう評価すべきか困惑している様子。
そして案の定、公式インスタグラムのコメント欄には「他の人はわからないけれど、このまとまりのない見た目をみて試そうとは思わない」や「ちょっと塗りすぎじゃない?」などマスカラの仕上がりに疑問を抱く声が相次ぐ結果に。
しかし一方では、あくまでキャンペーンの一環であると主張するファンも多く、「広告用の写真だから商品の力をフルに発揮するために多め塗っているだけ。ライトに塗ればキレイに仕上がると思う」 や「特別な日のために作られたアイテムじゃないかな」などの好意的な意見も多数見受けられた。
メイクのプロの意見は?
グッチビューティーのグローバルメイクアップアーティストを務めるトマス・ド・クライヴァーによると、そもそのあの“ダマになったメイクルック”も、実はこのマスカラの魅力のひとつ。
米メディアInstyleのインタビューに答えたトマスは「このマスカラの最大の魅力は、どんなメイクルックも試せるところ」と話しており、その理由について「(このマスカラは)クリーミーな成分で出来ているから、(いろんなメイクに)柔軟に対応できるんだ。軽くまつげに塗って自然な仕上がりにしてもいいし、キャンペーンのようにたっぷり塗り重ねて、パンチの効いたダマのある仕上がりにしてもいい。様々なルックが楽しめる」と固定概念に囚われず、自由にメイクを楽しめるように開発されたものだとコメントしている。
独特の世界観を持つグッチビューティー
2019年に全58本のリップコレクションを発表して以来、インスタグラム上でたびたび話題を呼んでいるグッチビューティー。その注目を集めている理由のひとつが、今回のマスカラ同様、従来の常識を覆した独特のキャンペーン方法にある。
例えば、従来であれば“完璧な歯並びをもつモデル”を起用することが多い口紅の広告。
しかし、グッチのクリエイティブディレクターのアレッサンドロ・ミケーレは、「真の美しさは、不完全なものの中にこそ宿る」というメッセージを掲げ、同リップコレクションの広告キャンペーンに、2本欠けた前歯をもつダニ・ミラー(バンド「サーフボート」のリードボーカル)を前面に押し出したキャンペーンを展開。
その異彩を放つ世界観が注目を集め、一気にインスタグラム上で話題に。人によって好みは分かれるものの、着実にグッチビューティーの人気を高めていった。
今回も通常では考えられない、面白い試みを成功させたグッチビューティー。今後もどんなキャンペーン方法を繰り出すのか期待が高まる。(フロントロウ編集部)