Photo:ニュースコム、©︎ARNER BROS PICTURES / Album/Newscom
2020年3月20日に公開された『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』。映画でマーゴット・ロビーの演じる主人公のハーレイ・クインは、道化師のように白い肌が特徴的だけれど、ハーレイ・クインの肌はなぜ白くなったのだろうか。(フロントロウ編集部)

女性オンリーのチームが活躍『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』がついに公開

 “悪カワヒロイン”ことハーレイ・クインが、大好きだったジョーカーと破局し「覚醒」する様子を描いた映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』が、2020年3月20日からついに公開。

 主人公のハーレイ・クインは、2016年に公開された映画『スーサイド・スクワット』に引き続きマーゴット・ロビー。長かったツインテールを切り落とし、大きくイメージチェンジした姿を見せてくれることで話題になっている。

 本作でハーレイ・クインは「バーズ・オブ・プレイ」という自由を愛する女性だけのチームを組み、裏の世界を牛耳って、ハーレイ・クインまで支配してこようとするブラックマスクと戦う。

ハーレイ・クインとは?

 ハーレイ・クインは、もともとアメリカの出版社、DCコミックスのキャラクター。同社の人気ヒーロー『バットマン』の世界に登場する、破天荒で天真爛漫な性格のヴィラン(悪役)として1992年に生みだされた。

画像: DCコミックスのヒーロー映画『ジャスティスリーグ』より ©︎DC COMICS/DC ENTERTAINMENT / Album/Newscom

DCコミックスのヒーロー映画『ジャスティスリーグ』より ©︎DC COMICS/DC ENTERTAINMENT / Album/Newscom

 アメコミ界で「アイアンマン」や「ジョーカー」と呼ばれる定番キャラクターは、マーベル・コミックやDCコミックスといった出版社の、いわば看板キャラクター。

 その看板キャラクターを使って、コミックのストーリー作家たちがそれぞれストーリーを書き起こすため、作品によってキャラクターの設定などが異なることも。そのため、ハーレイ・クインの肌が白い理由は一つではない。

 そんな日本の漫画とは異なるシステムのアメコミキャラ、ハーレイ・クインの肌が白い理由をご紹介!

映画版のハーレイ・クインの肌が白い理由

 マーゴット・ロビーが演じるハーレイ・クインの肌が白いのは、映画『スーサイド・スクワッド』でジョーカーへの愛を示すために、自ら化学薬品タンクに飛び込んだから。

画像: 映画『スーサイド・スクワッド』より ©︎WARNER BROS PICTURES / Album/Newscom

映画『スーサイド・スクワッド』より ©︎WARNER BROS PICTURES / Album/Newscom

 ジョーカーにはもともと、「バットマンに追い詰められて化学工場の薬品タンクに落ち、肌が白く漂白されてしまった」という設定がある。

 ジョーカーにメロメロだったマーゴット版のハーレイは、映画『スーサイド・スクワッド』でジョーカーに「もし本当に愛しているのなら、俺のために全てを捧げられるか?」と聞かれ、見るからに入ったらマズそうな液体に入って、ジョーカーとお揃いの真っ白な肌を手に入れる。

コミックでハーレイ・クインの肌が白い理由その1

 ハーレイ・クインが初登場したのは、1992年に放送されたアニメ『バットマン』。その際彼女は、中世の道化師のように肌を真っ白く塗り、赤と白の衣装を着た姿で描かれた。

画像: コミックでハーレイ・クインの肌が白い理由その1

 アニメでハーレイ・クインはこの衣装を選んだ理由を“ジョーカーが子供時代に唯一楽しかった思い出が、父親にサーカスに連れて行ってもらった事だった”からだと言った。けれども、バットマンに「作り話だ」と一蹴されているため、本当かどうかはわからない。

 いずれにしても、この頃からハーレイ・クインがジョーカーを好きな気持ちは健在。道化師の衣装やメイクは、ジョーカーのためにしていることとして受け継がれてきたし、同時に、ハーレイが好きな格好としても描かれてきた。

 そんなハーレイ・クインは、アニメ登場後に大きな人気を呼び、コミック版へと逆輸入されることに。

 『バットマン』の世界に登場する精神病院「アーカムアサイラム」に勤務していた精神科医として、ジョーカーの担当になったことで彼の歪んだ精神に魅了され恋に落ち、ヴィランとなったという詳しい設定が与えられた。元の名をハーリーン・クインゼルといい、ハーレイ・クインはジョーカーから与えられた名前。

 コミック版で頻繁に描かれるようになった彼女は、映画版のように化学薬品に落ちたわけではなく、“ジョーカーのために”ハーレイ・クインになるときだけ道化師のような白塗り化粧をしていた。そのため、メイクを落とすと健康的な肌色。普段は博士として眼鏡をかけ、ブロンドヘアーを後ろに束ねた白衣姿で過ごしている姿もよく描かれていた。

コミックでハーレイ・クインの肌が白い理由その2

 コミック版でのハーレイにはもう一つ肌が白くなった設定がある。

 実は、バットマンやジョーカーを生んだDCコミックスは、2011年に大規模なリニューアルを行なった。その理由は、コミックスのキャラクターが生まれてから70年以上が経ち、設定やキャラクターが古びてきたから。

 『New 52』と名付けられて始まったその大改革で、これまで続いてきた連載や繋がりは一度全てキャンセルされ、キャラクターのデザインや背景設定が変更。

画像: 『Harley Quinn Vol. 1: Hot in the City (The New 52)』より ©︎DCcomics

『Harley Quinn Vol. 1: Hot in the City (The New 52)』より ©︎DCcomics

 その際にハーレイはジョーカーに拷問されてクレイジーになってしまった末、化学薬品のタンクに突き落とされて肌が脱色してしまうという設定が作られる。コミックではそのときのことを「ロマンチック」だと表現しているので、ジョーカーのことを好きになっていたという設定は変わらず健在。

 ちなみに、何度も出てくる「化学薬品のタンク」は『バットマン』の世界にある「エースケミカル」という工場のもの。映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』でハーレイ・クインは、ジョーカーへの思いを吹っ切るために、この工場を爆破してしまっている。

画像: 映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』より ©︎WARNER BROS PICTURES / Album/Newscom

映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』より ©︎WARNER BROS PICTURES / Album/Newscom 

 ハーレイ・クインの肌が白い理由は、なんとどれもジョーカーへの愛が理由。「恋は盲目」というけれど、『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』では破局し、新しいステージに羽ばたくハーレイ・クインの姿を見ることができる。

 映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』は、2020年3月20日から日本全国ロードショー。(フロントロウ編集部)

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