トイレットペーパーがないという“通報”に、アメリカの警察が怒った! 公式アカウントで公開説教し、さらに“歴史の授業”が展開される事態に。(フロントロウ編集部)

警察にもどうすることも出来ない

 太平洋岸北西部に位置するオレゴン州の港町ニューポートの警察が、市民からのある電話に困り果て、あるお説教を公式Facebookで展開した。「こんな投稿しなくてはいけないだなんて、信じがたい」と語るニューポート警察が問題にしたのは…、トイレットペーパーが手に入れられなかった市民からの電話!

「トイレットペーパーが無くなったからといって、911に電話をしてこないように」
 ※日本の110番に当たる電話番号は、アメリカでは911。

 新型コロナウイルスの影響で、自主隔離が推奨されるアメリカでもトイレットペーパーなどの日用品が買い占められる事態となっており、多くの人々が商品不足に困っている。しかし、自分たちにはどうすることも出来ない通報に対して、かなりうっぷんが溜まっていた様子のニューポート警察は、続けて、長々と歴史を振り返り始めた。

「事実、歴史に学べば、あなたには多くの選択肢があると分かるでしょう。あなたのお気に入りである柔らかくて、ウルトラ贅沢な、ダブルの、シトラスの香りのするトイレットペーパーが見つからないとしてもね。

船員は、塩水に浸けた古いロープや船用ロープを使ってしましたね。古代ローマ人は、これまた塩水に浸けた海綿を棒につけた物を使っていました。私たちは海岸の街にいるのですよ。使える塩水は豊富にありますね。貝殻も使われていたことがあります。

マヤ人はトウモロコシの穂軸を使っており、植民地時代のアメリカ人も、トウモロコシの芯を使っていました。農家はトウモロコシの穂軸だけでなく、(雑誌の)ファーマーズ・アルマナックのページも使っていた。多くのアメリカ人は、(カタログによる通信販売を行なっていた)シアーズ・ローバックの無料カタログから破り取った膨大なページを利用していました。通常のカタログの4倍の厚さであるシアーズのクリスマスカタログは、3人家族を、12月からバレンタインデーまで拭いてキレイにすることができたでしょう。もしくは、聖パトリックの祝日(※3月17日)までだったかもしれませんね。彼らが質素だったのであれば。

そして、もちろんいつでもトイレットペーパーの代わりになるものはありますよ。買い物レシート、新聞紙、布切れ、レース、手芸用わた、そして今トイレットペーパーホルダーにある芯もね。さらに、安全に使える葉っぱも種類多くあります。マザーアース・ニュース・マガジンは、15種類の葉っぱからどうやって自分に合ったペーパーを作るか教えてくれるでしょう。すべて失敗したとしても、雑誌のページがありますね。郵便受けに送られてくる、いつもはリサイクルゴミにすぐ出してしまうカタログを取っておきなさい。工夫しないさい。忍耐強くいなさい。トイレットペーパーは不足しています。しかしこれも、いつかは終わります。9-1-1に電話をかけてくるのは止めなさい。私たちはあなたにトイレットペーパーを持っていくことはできません」

 日本でも1973年のオイルショックの際に、トイレットペーパーが手に入らなくなるというデマによって買い占めが起こったにもかかわらず、2020年の今年、ふたたびデマによってトイレットペーパー不足が発生したことで、歴史を学ぶ重要性を意識したという声もあがっている。ニューポート警察が不必要な911番通報はしないようにというメッセージを伝えるために考案した、ウィットに富んだ「歴史の授業」はインターネット上で約1万回シェアされ、コメント欄には、どんな物がトイレットペーパーの代わりになるかという、おもしろコメントも多く寄せられている。(フロントロウ編集部)

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