3月21日は国際人種差別撤廃デー(International Day for the Elimination of Racial Discrimination)。人種差別撤廃のために国連が取り組んでいるテーマとは?(フロントロウ編集部)

国際人種差別デー

 毎年3月21日は、あらゆる人種差別の撲滅を目的とした「国際人種差別撤廃デー」。1960年3月21日に、南アフリカのシャープビルでアパルトヘイト(白人と非白人を差別する人種隔離政策)に反対する平和的デモ行進に警察が発砲して69人が死亡した事件をきっかけに、1966年の国連総会で制定された記念日。

画像: 国際人種差別デー

 この事件によって国連が本格的に人種差別に取り組み、南アフリカのアパルトヘイトを廃止させた。そんな記念日は、2020年で54年を迎える。アントニオ・グテーレス国連事務総長が2019年に「世界がヘイトという悪魔と戦う時が再び訪れるのではないかと恐れています」とスピーチしたように、残念ながら近年は、人々のヘイトによって大勢の人々が犠牲になる悲しい事件が立て続けに起きている。

「アフリカ系の人々のための国際の10年」

 こうした世界から非人道的な行為の根絶を達成するために、国連はテーマを設定して人種差別撤廃の実現に向けて取り組みを行なっている。

画像: 「アフリカ系の人々のための国際の10年」

 国連は、2015年から2024年までの10年間を「アフリカ系の人々のための国際の10年( International Decade for People of African Descent )」とし、理解、正義、開発をテーマに、アフリカを起源とする人々の人権向上と擁護できるような有効な計画を実施。

 地球上でもっとも貧しく、もっとも社会から隔絶された層を構成していると言われるアフリカ系の人々の生活水準を向上させようとしている。さらには、教育、健康、住宅、治安、司法制度、政治の領域における人種差別の撤廃も戦略の詳細として取り組んでいる。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、国際デー関連のイベントの中止が相次いでいるが、国連人権高等弁務官のミシェル・バチェレは声明文で、「新型コロナウイルスや、差別、ゼノフォウビア(外国人嫌悪)は、伝染することによって脅威をもたらすものです。我々は信念と決意を胸に公益のために団結しなければいけないのです」と綴り、パンデミックのような状況だからこそ人々の団結を求めている。(フロントロウ編集部)

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